出展情報
2020/5/2(土)~3(日)に京都・けいはんなで開催される
メーカーイベント Maker Faire Kyoto 2020に個人として出展予定でしたが、
あいにくと新型コロナウィルス蔓延対応のため、開催そのものが中止になりました。
しかし、Onlineイベントとして、別途Twitter上で開催される事になりました。
それを盛り上げる意味で、出展予定していた展示物を紹介させて貰えたらと思います。
(Onlineイベント当日は、過去の製作動画をコメント付きで度紹介する形で参加させてもらおうと考えております。)
私は、『家族のためのモノづくり』というテーマで、
障害を持った息子や家族のために作った自作リハビリ機器・改造おもちゃを出展予定でした。
自己紹介はこちら
ogimotokin.hatenablog.com
以下が公式サイトでの私のブース説明になります。
makezine.jp
なお、Maker Faire には昨年2019年に初参加させて頂きました。
今回の#MFKyoto2020 でも、「アシスティブテクノロジー(AT)」カテゴリとして、
以下の10作品を出展予定しておりました。
その中でも
「AT×キッズ&ファミリー」
「AT×モビリティ」
「AT×ミュージック」
「AT×ロボット」
の4ジャンルで紹介します。
また、コロナ禍の中で開発した「在宅勤務(学習)DIY」も加えます。
気が付けば、
展示ラインナップ10点、昨年からALL新作状態
になっています(笑)
弊ブースの特徴は、昨年と変わらず
「必要とする人のニーズ目線で
日常的に使える事を目指した
個人モノづくり活動」
です。
Maker Faire用に準備してきたという訳ではなく、
子供や家族が喜ぶから、成長に必要だから、困りごとをなんとかしたいから、作り続けてきたモノ達をこの機会に展示するスタイルをとっています。
MFKでは、それらの開発モノが自分達以外の子供達にどの程度活用できるのかフィードバックを貰いたい、と思い、
特に体験ブース中心として遊ぶスペースを広く確保しようとしていました。
なので、製作物のジャンルにはまとまりはありませんが、ご容赦ください(笑)
オンラインになってその直接の使用感フィードバックを貰えないのは残念ですが、是非とも動画上でも興味のあるコンテンツに反応やアドバイス等頂けると嬉しいです。
また、来年の展示会などでは、更にパワーアップした状態で、実際に触って遊んで貰えると大変嬉しいです。
① AT×キッズ&ファミリー
①-1: 息子おうちリハビリ用プロジェクションゲーム壁
[目的] 息子 & 娘向け
・外出できない子供達におうち生活を刺激的に楽しませたい!
・外来リハビリに通えない息子と、立位などのおうちリハビリを楽しく進めたい!(息子が自分から主体的に体を伸ばす様に誘導したい)
[製作物]
自宅内に「チームラボみたいなプロジェクションゲーム壁(インタラクティブ壁)」を製作しました。
壁をタッチするとそこからボール転がしゲームが始まります!
外出できない子供達を楽しませたい & リハビリに通えない息子に楽しく体を動かして貰おうと、
— おぎモトキ @ 父親エンジニア / OGIMOテック開発室 (@ogimotoki) 2020年4月30日
自宅にチームラボみたいなプロジェクションゲーム壁を作った!
壁をタッチするとボールが飛び出し、転がる!
ボール好きな息子は興奮!
最上段から転がそうと体を伸ばしてる♪#家族のためのモノづくり pic.twitter.com/rcCUp2FfTo
[製作方法]
ゲームコンテンツはUnityで製作。
Window PCでコンテンツを再生し、プロジェクタで投影しています。
壁タッチ検出は、中華製安価Lidarを使ってUnity連動させています。
[コメント]
4/30に完成した出来立てほやほや作品。
MFKが開催された場合は、ブース内にプロジェクションブースを用意してそこで子供達にタッチで触って遊んで貰う予定でした。
今後もコンテンツを拡張して、子供が楽しく自然と体を動かせる仕掛けを作っていきます!
①-2: スイッチで選ぶ「かおす暴走くまさん」
[目的] 息子向け
・知的にも遅れのある息子の好奇心をこじ開け、自分の意志で「選ぶ」行為を楽しく経験できる様したい
[製作物]
「ふつう」「ぼうそう」「かおす」の3モードをスイッチで選択すると、激しい動きになる(笑)
簡単な技術で、子供や大人を、笑顔にしてくれる魔法のくまさん
昔懐かしのたいこおもちゃ「こぐまのトンピー」を改造。3種類の挙動をスイッチで選べる様にした
— おぎモトキ @ 父親エンジニア / OGIMOテック開発室 (@ogimotoki) 2020年2月1日
知的にも遅れのある息子の好奇心をこじ開け、自分の意志で「選ぶ」行為を楽しく経験できる様に、
刺激を強めに改造したら…
…やりすぎた(笑)
好奇心、こじあきすぎるか?w#家族のためのモノづくり pic.twitter.com/6KR3Hib73X
[製作方法]
スイッチに応じて、使う電池の本数を電子回路で切り替えるというシンプル製作
[コメント]
昨年に展示して、とにかく絶大な人気だった「暴走ワンワン」の進化系。
ogimotokin.hatenablog.com
もし、MFKが開催された場合は、ブースへの客引きとしてブース先頭に配置予定でした。
是非次の機会で、触って、笑ってください!
①-3: パリピ改造くるくるチャイム
[目的] 息子向け
・ボール転がしが大好きな息子の好奇心を広げたい
・息子の指先を使うリハビリ練習を自主的に行う様に仕掛けたい
[製作物]
くるくるチャイム内部に、測距センサーを埋め込み、ボール位置を検知させ、ボール位置に合わせて、LEDテープ& 効果音を鳴らすという追加改造
[製作方法]
筐体内に回路を収めるため、Arduino Pro Microを使用。
詳細な製作方法は以下を参照ください。
[コメント]
2020年1月に製作して以降、お気に入りのおもちゃの一つとして、遊び続けてくれました。
おかげで筐体は傷だらけですが、今でも安定して動いてくれてます。
地味ですが、こういう既製品改造は「日常使用のためのモノづくり」のアプローチに適しているので、
その観点でのサンプル紹介予定でした。
② AT×モビリティ
②-1: 面白乗り物に変身する電動車椅子(WheelChair Vehicle)
[目的] 息子 & 娘向け
・息子が自分の意志で前に進む体験機会を作りたい
・電動車椅子=障碍者の乗り物という心理ハードルを取り除きたい
[製作物]
・大人用電動車椅子に物理ハックユニットを追加。
・「Nintendo Labo バイクトイコン」「電車でGoコントローラ」「おもちゃゲームコントローラ」で車椅子を操作して遊べます。
・電動車椅子の外装に段ボール新幹線を追加。走行中に「電車の発車音」「走行音」を追加して、面白い乗り物に変身させます。
娘と車椅子を改造して遊んでみた
— おぎモトキ @ 父親エンジニア / OGIMOテック開発室 (@ogimotoki) 2020年3月7日
吉藤オリィさん(@origamicat)が開発してた『Nintendo Laboバイク車椅子』を我が家でも再現!
更に「おもちゃトイコン」「電車でGo!」車椅子にもトライ
息子の移動練習用車椅子、コントローラを変えるだけで子供ワクワクの乗り物に変身!#家族のためのモノづくり pic.twitter.com/pk57fEAdnB
#特別支援学校の特別おもしろ祭 にて【車椅子をワクワク新幹線に変える自作モジュール】を遊んで貰った。
— おぎモトキ @ 父親エンジニア / OGIMOテック開発室 (@ogimotoki) 2019年8月24日
電車好きな子は、発車・走行音に興奮! 夢中で操作してくれた!
息子のためにモノづくりを始め1年半。趣味の活動が、多くの子供たちを喜ばせる事に繋がるなんて…
エンジニアとしての幸せや pic.twitter.com/aHZwgVqRYB
[製作方法]
以下の記事を参照ください。
ogimotokin.hatenablog.com
ogimotokin.hatenablog.com
[コメント]
MFKyotoは、電動車椅子を必要としないお子様が多く来場されていますが、その子供達に電動車椅子を身近に感じて貰う&ワクワクする体験をしてほしい、と考えていました。
主に、『面白コントローラ×新幹線ユニット』で、面白い遊園地アトラクション感覚で試乗してもらうブースを用意予定でした。
また、息子は普段から日常取り組みとして、私の改造した専用電動車椅子に乗って日々走行練習を行っています。
もし、MFKyoto会場に同様の症例の方が来られていた場合、その体験試乗も計画していました。
②-2: おしゃべり乗り物Mottoy 改造
[目的] 息子向け
・息子が自分の意志で前に進む体験機会を作りたい
[製作物]
・小児用電動カーMottoyを、肢体不自由の子供達でも操作できる様に改造
(速度可変、イルミネーション、可愛い音声など)
・「Nintendo Labo バイクトイコン」「電車でGoコントローラ」「おもちゃゲームコントローラ」で操作して遊べます。
[製作方法]
以下の記事を参照ください。
ogimotokin.hatenablog.com
[コメント]
本製作物は上記(1)電動車椅子の導入前に作ったものです。残念ながら、日常的には(1)に移行したため、現在は遊休状態ですが、特に年少の子供には人気が高いため、今回展示しようとしていました。上記と同様に、子供達に乗って貰い面白コントローラで操作できる準備をしていました。
③ AT×ミュージック
③-1: 視線入力で演奏するハンドベル演奏装置
[目的] 息子 & 友達向け
・息子の療育園最後のクリスマス会で、肢体不自由の同級生8人で何か演奏体験をできる様にしたい
・手を動かすのが苦手な子供も、自分の意志で演奏する機会を作りたい
[製作物]
・8個のハンドベルを8個のスイッチで鳴らします(ハンドベルを持てなくても指先一つで演奏可能)
・8個のスイッチが全部押されると自動演奏が始まる点灯式モードも用意。
・視線入力I/Fにも対応! 鳴らしたいベルを見るとその音が鳴る超能力体験!
[製作方法]
ハンドベルを鳴らすのにはソレノイドを使っています。8個のソレノイドを使い、一つのマイコン(ESP32 Dev Kit)で制御しています。
また、視線入力システムとしては、ハンドベル演奏装置にUSB経由でWindows PCを接続。視線入力デバイスは業界お馴染み Tobii Eye Tracking 4C、操作アプリは、OriHimeEye+自作アプリ を使っています。
[コメント]
電気回路(ソレノイド) / 筐体設計(3Dプリンタ) / 台製作(木材DIY) など2019年の数々のモノづくりで経験したノウハウを駆使して、わずか2週間分(深夜時間のみ)で実現した思い出の機器です。
今回の展示では、実際に視線入力 or スイッチを通して、簡単なハンドベル楽曲を演奏してもらおうとしていました。
③-2: スイッチで操作するタンバリン演奏装置
[目的] 友達向け
手の不自由な子供が、みんなと一緒に楽器演奏を出来る様にしたい
[製作物]
・ワンスイッチ操作でサーボモータを動かし、タンバリン等を演奏できる打楽器用ハンドを製作。
・叩いた際に、光の演出や、面白い効果音も加える事ができるので、面白さアップ
[製作方法]
以下ページを参照ください。
ogimotokin.hatenablog.com
[コメント]
特に重度心身児の家族と交流している中で、よく聞く課題として「ちょっとしたモノを叩ける機器」。
ありそうで意外と存在しない市販品。一方で、電子工作としては比較的ハードルの低い技術なので、ここはメイカー×当事者としての気付きと捉え、開発しました。
実際にモニターで数人の方に向けて提供実績を積んでいます。
展示会では、後述の「分身ロボットを使った遠隔演奏システム」と組み合わせてのデモ予定でした。
④ AT×ロボット
④-1: 分身ロボットを動かす遠隔メカナムユニット
[目的] 家族&友達向け
・単身赴任先にいながら、自宅にいる家族と分身ロボットOriHimeを通して鬼ごっこ等で遊ぶため
・外出できない友人らと分身ロボットを通して、サッカーなどのスポーツで遊ぶため
(分身ロボットサッカーの取り組みに向けた開発)
[製作物]
・分身ロボットOriHimeを搭載可能な台車ユニットを開発。メカナムホイールを搭載しているので、前後左右に自由に移動できる。
4G経由でスマホから台車を操作できるので、自宅からOriHimeを自由に動かす事ができます。
#分身ロボットサッカー の機体開発。
— おぎモトキ @ 父親エンジニア / OGIMOテック開発室 (@ogimotoki) 2020年3月27日
テクニカルに動けるディフェンス機体として、左右水平移動も出来る機体を作った。メカナムホイールはロボット屋さんのロマンやね
Obniz対応したので、#OriHime を乗せて自宅PC・4Gスマホから遠隔で操作して、皆でサッカーできる
キビキビ動き回れて気持ち良い pic.twitter.com/G6nurRvGAh
[製作方法]
台車はAmazonで購入したメカナム台車キットを使っています。
制御自体は、ESP32マイコン を使い、2つのモータドライバを制御します。上記の電動車椅子と同じ様な無線コントローラを接続可能な事に加えて、UART通信経由でObnizをつなげる事も可能です。
これにより、『①スマホからBlynkアプリ』と『②スマホからブラウザ経由でObniz』の2種類からスマホ操作が可能です。
[コメント]
昨年のMaker Faire Tokyoでは、分損ロボットサッカー企画者のてらきゅーとーまさんや分身ロボットカフェのパイロットさえちゃんにも遊びに来てもらい、子供達の操縦するロボットと簡易サッカーを楽しんで遊んでいました。
わちゃわちゃ子供が集まってカオスな感じになってたのが、これまた楽しかったです。
今回の展示会でも、遠方からOrIHimeで会場に遊びに来てもらい、子供達の操作するロボットと1on1で遊んで貰う時間も計画してました!
④-2: 分身ロボットによる遠隔演奏システム
[目的] 友達向け
・外出できない友人らと分身ロボットを通して、楽器演奏を一緒にする体験を作りたい
[製作物]
・先日に開発した打楽器ハンドを、OriHime経由で操作させるため、OriHimeの腕に加速度センサーを搭載し、
OriHimeの腕の動きに応じてスイッチON/OFFやマスタースレーブ動作を実現するユニットを作りました。
これにより、OriHimeを使いながら簡単な楽器演奏なども実施できます。
外出できない子供・友人らと一緒に遠隔で楽器セッションできる機器を開発中
— おぎモトキ @ 父親エンジニア / OGIMOテック開発室 (@ogimotoki) 2020年2月26日
分身ロボット #OriHime だと重たい楽器を持てないので自作機器でサポート。分身ロボをマスターに、演奏アームをスレーブ(追従)制御
タンバリン&ハンドベルも遠隔から鳴らせるし、先日作った演奏アームならブブゼラで応援もw pic.twitter.com/Fnwpxif4nU
[製作方法]
製作方法は以下のページを参照ください。
ogimotokin.hatenablog.com
[コメント]
③-2のタンバリン演奏アームと一緒に使って、遠方にいる家族orパイロットさんにOrIHimeで会場に遊びに来てもらい、そこで打楽器を鳴らしたりしてもらうデモを予定していました。
コロナ禍で、大勢の分身ロボット参加者と集まる機会は、当分先になりそうですが、少しずつ進めていきたいと思います。
⑤ 在宅勤務(学習)DIY
⑤-1: 学校気分を感じるおうち勉強管理ツール
[目的] 息子 & 娘向け
新1年生となる息子に学校の生活リズムに早くなれて欲しい。
娘に自主的に勉強する気持ちを後押ししたい
[製作物]
学校風のチャイムを鳴らして子供の時間割を管理するツールを作りました。オリジナルの時間割に合わせて、自動でチャイムが鳴り、次の科目をお知らせしてくれます!
[製作方法]
M5Stack に子供の時間割情報を入れておき、SDカードからイラスト&音を表示しました。
外装は3Dプリンタで学校風に製作し、娘に色付けして貰う等、積極的に娘を製作に巻き込みました。
[コメント]
娘を積極的に製作に巻き込んだおかげで、学校チャイム音に愛着を持ってくれ、今のところ自主的に勉強に励んでいます。
導入して1カ月、今でも毎日チャイム音に従って勉強するスタイルを構築できました。
ただ、モノを作るだけでなく、「モノを作る過程」を共有する事も大事だと、娘からメイカー姿勢を教えてもらった気がします。