OGIMOノート~家族のためのモノづくり~

OGIMOノート ~家族のためのモノづくり~

9歳の娘と、7歳の息子(脳性麻痺)を持った父親エンジニアの備忘録。自作の電子工作おもちゃ/リハビリ器具/ロボット関係の製作記録、勉強記録を残していきます

【まとめ】2021年ふりかえり ~家族のためのモノづくり~

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2021年もいよいよ終わりを迎えます。

すっかり開発に夢中になって、ブログの記載頻度がすっかり下がってしまいましたが、今年に取組んだ事・開発したモノをざっと整理してみました。

ちなみに、過去2年の製作物まとめは以下です。

ogimotokin.hatenablog.com

ogimotokin.hatenablog.com



★は特に思い入れ深いモノ

今年の活動概要

『息子のため、家族のため、誰かのために、
 自分の技術を生かしたモノを作りたい!』

との想いからスタートした個人モノづくり活動。

家族に向けては、特に息子の小学校生活をサポートする機器を製作してきました。今年のメインとして、歩けない息子の移動支援モビリティ(ToMo-bility)を新規に開発/改良しましたが、それ以外の新規開発は少な目でした。主に昨年に製作して日常的に使ってる開発品(じゃんけんハンド等)を改良・メンテナンス・修理する事に時間を割いていました。

自分の製作品が、
プロト製作フェーズから、日常的に活用できるフェーズに移行
したのだなぁ、と実感を得られた一年でした。


一方で、2021年は
「息子や家族のために作った開発技術を、他の誰かのために活用したい」
というのが大きな変化で、誰かのためにカスタム製作したり、友人と一緒に誰かのために繋がる開発活動への時間が多数を占めていたなぁ、と感じています。

コンテスト

発信活動として、今年初めてチャレンジしました。その結果、大変光栄な事に、以下のコンテストで受賞させて頂きました。

①ヒーローズリーグ [12月]
日本最大級のモノづくり・開発コンテスト「ヒーローズリーグ」
ヒーローズ・リーグ 2021 - ProtoPedia

にて、
後述する「子供用移動支援モビリティ ToMo-bility」を応募・プレゼンさせて頂き、以下の3賞を頂きました。

・MAヒーロー (プレゼン部門優勝)
・CIVITECH賞 (CIVITECH部門優勝)
・ベストドリーマ賞 (個人賞)



②M5Stack Contest [12月]
電子工作業界では知らない人はいないくらい有名になったM5Stackデバイスを活用したモノづくりコンテスト。
M5Stack Japan Creativity Contest 2021 - ProtoPedia
2作品を応募して、2作品とも賞を頂きました。

2位 : M5ポータブルエレベータパネル
意義深い賞 : バーチャル車窓付きM5電車コントローラ





コミュニティ活動

2020年5月~ 分身ロボット・吉藤オリィさんとそこに集まる面白い仲間達と
オンラインコミュニティ「オリィの自由研究部(オリィ部)」
に参加して活動しています。
私は副部長として参加させて頂き、各種プロジェクトや各種オンライン配信(2-4回/月)・モノづくり活動に参加させて頂いております。

community.camp-fire.jp

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障害を持った方などの抱える身近な困りごとを解決するアイデア検討/モノづくり/体験イベントをユカイなメンバー達でワイワイと取り組んでおります。この1年は、第二の本業になるくらいに様々な活動を進めつつ、参加されているメンバーの「暖かいリアクション」に支えて頂いています。
(オリィ部プロジェクトに関連したモノのうち、外部公開されているモノを後述の開発リストに記載します)



外部講演・登壇イベント

今年になって、身内コミュニティ以外からも講演や登壇依頼を頂く機会が増えました。特に「趣味×実益×誰かのためモノづくり」に関して、製作物の紹介だけでなく着眼点やそれを使った効果・ノウハウなど踏まえて、90分話せる経験が出来たのも収穫でした。

※もし登壇などのご相談あればDM等で頂ければ、できる限りは対応したいと思います。


・2月 : 兵庫県尼崎市 地域講演会


・2月 /10月 : 福岡エンジニアカフェ「だれかのためのモノづくり」

www.youtube.com



・4月:キッズフェスタ / 東京都理学療法士 小児部










①★ 家族のため ~息子向け成長支援モビリティToMo-bility~

今年のメイン製作品でもあり、私がロボットエンジニアに転職してから一番やりたかった事です。

歩けない息子に自分の意志で自由に動ける体験を作るためのモビリティ開発。

3年の取組みをまとめたものは以下の動画とProtopediaをご覧ください。(ヒーローズリーグ応募作品)
www.youtube.com
protopedia.net


製作&改良活動を通して息子が自分の意志で学校に登校できる様になっただけではなく、移動機器を通して友達が寄ってきて、一緒に遊び始めるという「意志表現&コミュニケーション装置」としての役割をするというのはとても新鮮な発見でした!(日常的に使ってきたからこそ分かった発見)




(1-1) 車椅子ごと乗れる台車モビリティ [6月]

GWの期間を利用して息子のための新しいモビリティベースを製作しました。小学校での手動/電動の切替えのしやすさを考慮して「自分専用の手押し車椅子ごと乗れる電動台車型」として開発しました。
アルミフレームや板金製作にも初チャレンジしてみました。





(1-2) 電車コントローラで動かす台車モビリティ [6月]

電動台車を学校等にもっていく上で、どうやったら学校の友達にも興味持ってもらえるかと考えた際の「電車モビリティ構想」。
プラレールの操縦用に製作したバーチャル窓付きM5電車コントローラでToMo-bilityを操作できる様に改造しました。

今はまだ、走行方向は介助コントローラによる選択だけど、将来的にはROS自律移動と結合させた自動運転にしてみたり、手で書いた線路の上を自動で走る様な機能を付けてみたい。




(1-3) 走行アシスト(自動減速・停止機能) [10月]


(1-1)開発後、10月の運動会や小学校内活用に向けて、急遽導入した機能アップデート。友達の輪の中でも安心して使って貰える事を目指した安全機能。
また、LED表示をうまく使って、本人に「進んだらぶつかるよ」情報を可視化させる教示効果もある事が分かりました!


これも今後の日常生活の様子や課題を見ながら、2022年も改良アップデート予定です。




②家族/誰かのため ~ロボット/モビリティ~

(2-1) ★屋内移動用ROS対応ロボットベースモビリティ [10月]

元々はTomo-bility開発のためのモーター実験用として製作したロボット台車。通学路を含む屋外走行には不向きですが、自宅など屋内では人を乗せて運べるパワーを持つ台車として使えそう!


そして、ROS上で360度Lidar監視による障害物検知・自動減速/停止機能、OriHimeやESP32+Blynkからの遠隔操縦、SLAM(地図作成)、Navigation(自律移動)など基本的な走行実験ができるロボットベースカーとしてどんどん機能アップデートの最中です。

最近だと、Unity連携でロボット走行位置をバーチャル空間上に表示したりも出来る様になりました


アルミフレームなので筐体は拡張しやすいので、例えば 台車の上側を改造して荷物を運べる様にしたり、アームや他の電動機器を付けて遠隔から操縦&操作をさせたりする等、いろんな実験が出来るロボットベースになりそうです!

すでに我が家以外の場所で使って貰える機会を頂き、既に数台製作&提供済、今後も機会が増えそうな予感です。

2022年前半は最も力を入れて、本ロボの機能アップデートに取り組んでいく予定です! ここで研究していった技術をToMo-bilityや他の移動支援機器に展開していきたいですね。




(2-2) ★OriHime×屋外遠隔散歩用モビリティ [11月]

Tomo-bility開発((1)電動台車型)によって、遊休になった大人用電動車椅子を遠隔操縦できる様に追加機能アップデートを加えて、遠く離れた友達が自由に外を散歩できるロボットモビリティを作ってみました!


ToMo-bilityの無線介助コントローラのおかげで、遠隔操縦だと慣れてなくて走るのが苦手な人も介助操作込みで安心して一緒に楽しく遠隔散歩が出来る!

誰かの「できない」をサポートする技術は、少し違う場面でもっと多くの誰かの役に立つ

道路交通法の課題でまだ公道は走れないのですが、この辺りも何か解決策が見つかっていけばと思います




(2-3) ★オリィさん白衣なびかせ機 [11月]

黒い白衣がトレードマークの吉藤オリィさんの白衣をなびかせる事に全振りしたモビリティ。


「(2-1)ロボットベースモビリティ」の展開事例の一つになりました。(オリィさんとわずか2日で共同制作/発表に至った開発品)

こちらも今後改良を続けて、より素晴らしいなびきを目指して頑張ります!



(2-4) コタツ車椅子 [1月]

小学校の教室がコロナ禍対策で常時換気状態になって、冷え性の息子にとっては過酷な状況だったので、車椅子を電気毛布+αでコタツ化してみた! そのままだと低温ヤケドしてしまうので、3Dプリンタ等で固定治具を作って、形が崩れない様にした。

これもこれから冬は毎年恒例で使い続ける事になりそうです!


(2-5) 遠隔宅配受け取りロボットシステム[11月]

福岡エンジニアリングカフェ様主催のイベント「だれかのためのものづくり」にて製作。
分身ロボットOriHimeのパイロット・こやさんの悩み事
「足が不自由で宅配便の受け取りに手間取ってしまう」
を解決するため、ベットから寝たまま、宅配便の荷物をロボット経由で受取り、自分のベット手元まで運んでくる未来のイメージプロトを作ってみました。

www.youtube.com

(2-1)(2-2)などで開発したロボットを組み合わせたイメージ動画ですが、こんな未来の姿を身近に作っていけたらいいですね




③誰かのためのモノづくり

(3-1) ★電車でGoコントローラで遊ぶプラレール [2月]

電車に興味を持ち始めた息子が、自分から主体的におもちゃを遊びにいってくれる事を目指して製作したもの。
M5シリーズを駆使して、電車コントローラにバーチャル車窓を再現!プラレールや電動モビリティを大好きなコントローラで操縦して、楽しみながらリハビリ練習を!

こちらの製作内容については Protopediaに記載しています。
(M5Stackコンテストに応募して、「意義深い賞」を受賞しました)
protopedia.net


また、こちらはキッズフェスタ(4月)で知り合ったお母さんから「我が子にも遊ばせてあげたい」と相談を受けて、その子に向けて山手線仕様でカスタム製作してみました。







(3-2) ★肢体不自由児のための豆まき支援装置 [2月]


肢体不自由で豆を投げれない息子と一緒に節分イベントに参加するため、スイッチ一つで豆を投げる装置を製作。

開発過程の試行錯誤でたくさん豆が当たってすごく痛かった想い出w




(3-3) 肢体不自由児のためのキャッチボール装置プロト [3月]

小学校の休み時間に「友達と一緒にドッチボールに参加できないか?」という学校の先生からの相談で始まった開発。
Amazonで売っている簡易ピッチングマシーンをワンスイッチで発射できる改造を行って実験してみた。

装置を使う事で、子供達が自然に集まってきて、そこでキャッチボールのきっかけが生まれる。
「装置を使う必要があるからこその価値」を実感できました。

これは今年も継続検討中。ドッチボールを投げれる様にしていきたい。


(3-4) 改造くるくるチャイム ver.2 [5月]

昨年に製作した「改造くるくるチャイム」
4月のキッズフェスタで出展していたところ、この製作品を大好きになってくれた子供さんに向けてカスタム製作しました。
CM大好きなお子さんという事で、ボールを転がすと大好きなCM音が鳴る様にしました。





(3-5) ★ポータブルM5エレベータパネル ver.2 [6月]

昨年に製作した入院中のお子さんのために製作した病室内で遊べるポータブルエレベータパネル。こちらをTwitterに投稿していたところ、
「エレベータ好きの我が子にプレゼントしたい」
との相談を頂き、2号機としてカスタム製作しました。

こちらの製作の過程を、Protopediaに記載しました。
(M5Stackコンテストに応募して、「総合2位」を受賞しました)
protopedia.net


また、この内容についてはfabcross様にも紹介頂きました。

fabcross.jp


(3-6) 娘のイラストが具現化!? 猫ちゃん貯金箱[7月]

娘が得意なお絵描き(イラスト描き)。
そんな娘への誕生日プレゼントに、自分の描いたイラストグッズをプレゼント。ちょっと前に
「こんなのが欲しい!」と娘がお絵描きしてたネコちゃん貯金箱を3Dプリンタで立体化、イラスト通りに作ってみた!




(3-7) 木目調LEDディスプレイ[12月]

クリスマスツリーの雰囲気にあう様な電光掲示板(LEDディスプレイ)を製作。

昨年に製作したLEDマトリクスに木目調の透過フィルムを貼っただけだけど、これで一気に雰囲気が変わっていい感じ! 自然とテクノロジーの融合感が素敵!

LEDマトリックスへの入力方法が課題で、子供が簡単に入力できる方法は模索中

ogimotokin.hatenablog.com





④開発活動 ~オリィの自由研究部~

※前述したオンラインコミュニティでの活動のうち、コミュニティ外部へ情報公開しているモノのみ掲載しています。(現時点で未公開の製作プロジェクトにも多数参加中)

(4-1)★オンラインボッチャ装置 (ver.3) [8月]

オリィ部の発明検討会での2020年6月での投稿
「コロナ禍で集まれなくても、家からでも、遠くからでもボッチャを楽しみたい」
という相談から生まれたプロジェクト。
PCやスマホを使ってボッチャランプ(斜面台)の左右上下を操作できる装置をメンバーで開発しました。

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今年になってから改良を重ねて、3月には ALL 3Dプリンタ製のコンパクトなオンラインボッチャ装置2号機を、そして8月には公式大会に向けた3号機を製作しました。
3号機に向けては、これまでプレイヤーの皆さんに使って貰った際の課題を踏まえてハード/ソフト共に大幅改良、複数人複数ユニット管理システムも備わったオンラインボッチャシステムをメンバーと製作しました。

これを使って企業スポンサーも入った公式大会も行ったよ。

youtu.be

使っている技術(特にハードウェア)自体はシンプルで、作ろうと思えばDIYレベルの汎用技術で全然作れるモノなのですが、実際に1年間 毎週の様に使い続けてくれたプレイヤーの皆さんのノウハウや改良ポイントがたくさん反映されていて、すごく良いモノになっています。
使い手の方々が一緒に作って育ててきたものなのだ、と実感させて頂いたありがたい取組みです。
本当にメンバーと一緒に作って育ってきたものなのだ、と実感しています。

オンラインボッチャ協会にて、この1年間は毎週活用して貰っています。
来年も毎週定例で使っているので、参加してみたい方は是非ともDM頂ければと思います。

www.sukusukustep.org


(4-2) ★ワンスイッチで演奏できる楽器演奏装置[4-6月]

こちらも2020年6月から取り組んできたプロジェクトの製作。
肢体不自由の子供達と一緒に楽器演奏する体験を作りたい、と、
作るのが好きな人達(通称:武器屋)で実際に装置を製作して、当事者(プレイヤ)に使ってもらう事を行ってきました。

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今年は、パーツを基板化してはんだ付けのみで製作できるキット化を実施、20台ほどをメンバーで内部量産、遠隔での楽器セッションをする様な取り組みを行っていきました。

今はまだコミュニティ内部での運用ですが、来年は外部イベントでのお披露目であったり、製作装置に関しても必要な人に広げる活動を進めていく予定です。
興味のある方は是非ともお声がけください!




(4-3) OriHimeからの遠隔シャボン玉装置 [4月]

とあるプロジェクトの中で、OriHimeを使って子供達と遊ぼうとするイベントがあったので、
それに合わせて製作してみました。
OriHimeが手を挙げる事に連動して、シャボン玉を挙げる装置です。


OriHimeの手に連動してスイッチを入れる装置は以下の製作記事を参照ください。
ogimotokin.hatenablog.com










本業でのロボティクス研究開発活動

上記の個人製作活動、仲間とのコミュニティ製作活動も実施しながら、本業側でも子供達の未来に向けたロボティクス技術の開発を行っております。
本年は、私がメインで関わっているプロジェクトのプレス情報はあまりなかったのですが、特にロボット開発&現場実証活動に注力してきました。
また、以下の動画に出演してきましたので紹介させていただきます。

youtu.be






終わりに

いつもの事ながら、製作物の紹介がかなりの長文になってしまいました。

今年は、特にロボット/モビリティに特化した我が子のため、そして「誰かのため」「誰かと一緒に」開発して使って貰う体験を多く重ねる事ができたのは、本当に大きな収穫でした。

一方で、本業の合間を縫っての個人製作活動/コミュニティ活動の中で、自分ができる事の限界を感じる場面も多々ありました。特に使える時間が限られた中(平日の深夜22時以降)で忙しさのピークが重なってしまうと、片方のプロジェクトへ手が回らずアクションが後手に回ったりともどかしい想いをした場面もありました。

本業、個人開発活動、コミュニティ活動、家庭生活、
これらのバランスをどの様にうまく取っていくかが来年の大きな課題になるなぁ、と感じています。



そんな中でも、今年はコンテストに参加して自分を試してみたりなど新しいチャレンジと気づきを得られました。
いつもfacebookTwitter、リアルやオンラインで、様々な暖かいコメントやリアクションを頂けた皆様のおかげだと思っています。

暖かいリアクションは人を育てる。

ワタシや私たち家族もたくさん支えられています!

本当にありがとうございました!
来年もよろしくお願いいたします!

歩けない息子に向けたモビリティ開発②-2 ~電動台車でいつもの散歩道へ~

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本記事は以下リンクの続きになります。

ogimotokin.hatenablog.com

はじめに

物理的に歩く事が難しく、また知的障害(診断上の判断能力は1歳半)もあり電動機器の操作習得が難しい息子。
そんな息子の「自分で動きたいという意志を引き出す」事を目指した
息子専用のモビリティ(電動車椅子)の開発・練習記録を記しています。

これまで1年間、電動移動機器を操作してきた事で、「自分の行きたい方向(三方向)を選ぶ」事が出来る様になってきました。更に、本人が分かっている事(意志)を、
周囲の人に「この子、ちゃんと分かってるんだ」
と伝える事ができる効果を実感しました

この体験を、是非とも日常生活(特に小学校生活)で使っていきたい!

と考えて、小学校で使えそうな
「息子の手動車いすを電動化する電動台車ユニット」
の開発を進めています。

開発品(2021年5月末)

1カ月もの開発 & 調整を経て、2021年5月末に息子に初試走してもらいました。

この最初の瞬間は本当に緊張しました…

息子氏は思いこみが強くずっと引っ張るタイプなので、最初に悪い印象を与えてしまうと、それからずっと拒否反応を示してしまうのです。なので、一番初めこそ失敗出来ない緊張感がありました。

結果として大成功!
今まで使ってきた電動車椅子と同じ操作感覚で動かせる事に気づいてくれて、いつも通りのやり方で通学路をお散歩してくれました!

通学路にある車道から歩道への乗り上げ段差2cmやガタガタ道路でも、問題なく走行!

普段の子供車椅子とほぼ同じくらいの横幅(50cm)なので、我が家の狭いエレベータにもちゃんと乗る事ができました!
また、黒フレーム剥き出しが結構男の子ウケするらしく、通りがかりの男の子に「カッコいい!」って言われました! 電動台車が移動支援機器を超えて、「友達との交流きっかけを作るツール」としても期待できそうです!

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また、台車モデルにした事で、普段の車椅子よりも視界が高くなり、そのおかげでお姉ちゃんやお友達と近い目線になった!(これは製作して初めて得られた気付き!)
視界が変われば、見える世界が変わる、つまり体験感が変わるのです!


台車モデル(手動車いすと分離できる)の利点も実感する事ができ、いよいよ小学校への実用導入も見えてきました。


また、電動台車のメリットは、
車椅子を載せていない状態でも使える事

例えば、荷物を運んだりにも出来るし、座椅子を載せたら低姿勢モビリティにもなる!
自動運転と組み合わて面白い遊園地アトラクションっぽく出来るかも!?

小学校の登下校はもちろん、友達と一緒に遊べるアトラクションになったり、便利な荷物搬送ロボットになったり、たくさんの可能性が広がりそうな電動台車システムです。


製作方法

部品調達、メカ製作については、前記事を参照ください。
ogimotokin.hatenablog.com

モーターハック方法

まずはベースとなる電動車椅子のシステム構成図を以下に示します。

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電動車椅子は大きく分けて、「モータ」「モータドライバ」「本体ジョイスティック」に分かれます。
外部デバイスからモーターを制御する簡単な方法は、ジョイスティックで操作しているかの様に外部機器で代替する事」です。

以前の電動車椅子ハック時は、ジョイスティック部に外部モーターを付けて外部デバイスで物理的にジョイスティックを動かしハックする」という【物理ハック方式】を採用しました。

www.youtube.com

この方式のメリットは「車椅子側を分解・改造しなくてよい」点ですが、その一方で「壊れやすい」「細かな速度制御を行うのが難しい」というデメリットが挙げられます。
今回はレンタル品でないため、分解・改造が可能である事を配慮して検討を進めます。本電動車椅子の電装パーツを解析してみたところ、どうやら「ジョイスティック」の前後左右情報は、ジョイスティック(可変抵抗)を通してアナログ信号電圧に変換されている事が分かりました。
電動車椅子の多くはUART通信やCAN通信等でジョイスティック~モータコントローラ通信が行われており、その場合は通信解析を進める必要がありますが、上記アナログ信号電圧であれば外部装置から該当信号の電圧値を制御すればよいため、すぐにでもハック可能です。この様な【電気信号ハック】を今回は採用しました。

システム構成

本台車のシステム構成図を示します。

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モーターコントローラに繋がる配線をカットして、自作コントローラに繋げます。
ベースのマイコンはお馴染みの ESP32 DevKit C を使います。
ただし、車椅子のモータ速度検出用のホールセンサー(3本×2)や本体ジョイスティック信号の電圧は5Vであるため、ESP32(3.3V系)との間に5V系マイコンをI/F用として使います。今回は基板面積の最小化の観点でArduino Pro Microを使いました。ESP32とArduino Pro Microの間はUARTで双方向通信を行います。

なお、5V系マイコンからの制御信号(アナログ信号)ですが、Arduino Pro Microにはアナログ出力端子があるものの、これは純粋なアナログ信号ではなくPWM信号です。そのため、純粋なアナログ出力信号を出力するため、I2Cで制御可能なDACチップを使用します。


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ESP32が走行系制御の中心となり、本体ジョイスティック/子供用三方向ジョイスティック/介助用無線ジョイスティックからの通知情報をマージして、走行方向を決定します。

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基本的には、介助コントローラの操作指示を最優先にしつつ、子供用コントローラにある「前に進む」意志はしっかりと動きに反映させる作りにしています。

また、介助コントローラのジョイスティック部を押し込む事で、介助側から「緊急停止」をできる様にしています。緊急停止命令が出た場合は、ただちに電動台車のモーター駆動系を落としただちに電磁ブレーキを利かせるため、すぐに止まります。


介助サポートする大人は電動台車から離れた位置で安全性を担保できるので、
子供は「自分一人の力で操縦しているんだ」という自信を持つ事ができます!

安全性と自立心を両立する無線介助システム
ですね!



表示ディスプレイ

実際に日々の生活で使っていく上で、重要になってくるのは操作UIです。
介助者に分かりやすくはもちろんの事、息子や子供達に分かりやすくカッコいいデザインにする方が喜ばれそうです。

そこで、お馴染みのM5Stackを使って、状態表示ディスプレイ 及び 簡単なモード切替機能を持たせます。
(ボタンが3つついていますので、例えば速度の切替えや走行モード切替などに活用できます)

表示するもの/役割としては
ジョイスティックの操作方向
・前進速度(cm/秒)
・回転速度(°/秒)
・走行モード表示
・速度モード表示
・無線コントローラ接続通知

などです。

ジョイスティック+操作コントローラの状態をディスプレイに矢印で表示させる事で
息子自身に
「自分で押したボタンによって進む方向を可視化させ、操作と動作の因果関係を理解してもらう」
効果を狙っています。

描画ライブラリには、業界おなじみのLovyanGFX を使わせて頂きました。
操作方法はこちらのサイトが最も参考にさせて頂きました。

github.com
lang-ship.com

これを使えば、ぬるっと動くディスプレイ画面を実現できますのでとてもお勧めです!
(もっと早く使い始めておけばよかった…)

これを使ったM5StackでのUI工夫については、また別記事で紹介していければと思います。

製作その後

2021年5月のGW期間をかけて製作し、約1カ月の期間を経て、5月末に息子に初搭乗して貰いました。

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普段のモノづくりだと、使ってすぐに子供に試してもらうスタイルなのですが、モビリティとなると安全性の確認はとくにかく最優先。
特に転落/分解があると肢体不自由な子は自分の力で受け身や回避ができないので、大怪我に繋がる恐れがあります!
(自分の作ったモノで大事な人をケガさせてはいけないので、そこは慎重に取り組んでいます。)

最低限の安全性は念を入れてチェックを入れて重ね、大丈夫な自信が付いたところで週一回ベースで利用する方にしました。
近所の散歩コースを走る事を繰り返し、細かい使い勝手も含めて改良を繰り返す事にしました。

使い続けた感触として、
息子の操作バリエーションがすごく増えた事に気づきました!

いつもの散歩コースをガンガン進んだり、時々後ろを振り返って「ちゃんと付いてきてるかー?」ってチェックしたり、
交差点で「あっちに行ってみようかなー?」とクルクル旋回して迷ってみたり、
単に「行きたいところに行く手段」を超えて、
『動ける』事で自分の意志を表現してる!


電動移動機器は、単なる移動手段ではなく、
『自己表現装置の一つ』ですね。


そして、小学校への登下校や体育の授業、運動会での活用などを目指して、
ここから開発者の手を離れて使って貰うための改良に繋げていきました。

この実用導入に向けた取り組みや追加開発機能に関して、次の記事で紹介していければと思います。

歩けない息子に向けたモビリティ開発②-1 ~手動車いすの電動化ユニット~

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知的障害を持った息子の電動車いす練習の1年の成果

物理的に歩く事が難しく、また知的障害(診断上の判断能力は1歳半)もあり電動機器の操作習得が難しい息子。

そんな息子の「自分で動きたいという意志を引き出す」事を目指した
息子専用のモビリティ(電動車椅子)の開発・練習記録を記しています。

2020年5月に製作した息子用電動移動機器。
大人用電動車椅子(レンタル)に子供用シート(座位保持椅子)を括り付け、電動車椅子ジョイスティックを物理ハックして、
子供が使いやすい簡単コントローラで電動車椅子を操縦できるパーツを製作し、
息子自身が楽しく練習できる環境を構築しました。

ogimotokin.hatenablog.com

そこから週一回頻度で、近所の通学路や公園を散歩する練習を繰り返しすこと1年、
息子は明らかに「自分の意志で操作する(方向を選ぶ)」事ができる
様になりました!

製作してから1年後の走行練習の様子になります。

しっかりと自分の意志「こっちに行きたい!」を操作に反映できている事、
どちらの道へ行きたいか自分の意志で進む道を選んでいる事、
自分の行きたい方向と違う場合、それに気付き軌道修正しようとする

操作修得だけでなく、たった一年で明らかな知的成長を感じました!

そして更に分かった事は、
「息子自身が複雑なルートでもしっかり記憶して走っている」

という事でした。
公園で練習すると、息子は決まって同じ走行ルートを選びます。
時々我々介助者がイタヅラをしていつもと違うルートに連れていっても、その場所から息子自身が自分で上手に車椅子を操作しなおし、いつもの走行ルートに戻ろうとするのです。


これは、息子自身が自分の力で動けるからこそ周りが気付けた事、
障害があるが故に周りの人達に気づかれなかった
息子の「分かっている」事、
それが電動移動機器を操作する事で
周りの人たちに
「ちゃんと分かっていると伝える事ができた」

といえます。

電動移動機器は
単なる移動手段ではなく意志表現装置
である、と私は感じています。


改めて、電動車椅子/モビリティの可能性を広げたいと感じました!


新たな課題 ~成長に伴う車椅子乗り換え~

小学生になり体の成長も著しくなり、現電動車いすの座位保持椅子だとサイズアウトする様になるなど、新しい電動移動環境を整える必要ができてました。

日常生活の多くの時間を占める小学校での活用を考えた場合、
今の電動練習用シートで終日の授業参加は難しいため、きっちりと座位調整された車椅子(我が家の場合、手押し車椅子)も必要になります。
また、教室の入口は大変狭く電動タイプだと入るのが難しいため、コンパクトな車椅子はやはり必要となる等、
電動車椅子」と「手押し車椅子」の2台を使い分ける必要が出てきます。

しかし、市販の「電動/手押し切り替え可能な車椅子」だと、ジョイスティック型なので息子は操作する事ができない……


そこで、取るべきアイデアの一つとして
【手押し車椅子の足回りを必要に応じて電動化する】
事が良さそうでした。
この方法であれば、例えば教室内では手動車いすにして、休み時間は電動化ユニットを装着してお外をコントローラで動き回る
等といった自由度が期待できます!
この【足交換式モビリティ構想】は個人的には結構気に入っています。例えばタンク型台車ユニット等を開発すれば砂浜や屋外ピクニックに行けたり、将来的に足型ユニットを開発すれば階段等のそのまま登れるかもしれない!

本人の操作しやすいコントローラや座り心地(座位保持装置)はそのままに目的に応じて足を取り返していく構想で大変応用が利くと考えています。

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今回は汎用性の高く製作しやすそうな電動台車タイプを作ってみようという事で、
【息子の手押し車椅子をそのまま搭載可能な電動移動台車】
を製作する事にしました!


  
  

要求仕様

・息子の手動車椅子がそのまま搭乗可能(固定安定性)
・転倒/落下がない様に確実に固定できる
・屋外道路を走行可能 (通学路上の歩道乗上げ 段差3cmが可能である事)
・筐体幅は50cm以下
・息子自身が操作できるコントローラを使える事
・将来的に自動運転やセンシング機能を拡張しやすい電気/メカ構成である事

ベース発想は、2年前に分身ロボット開発者・吉藤オリィさんらとプライベートで一緒に製作した
『車椅子ごと乗れる視線入力操作台座(車椅子on車椅子)』

平成~令和へと時代が変わる瞬間に、夢中になってプライベートで製作をした作品です。

このコンセプトは
「姿勢保持が難しく電動車椅子に乗る事が出来ない方/車椅子への移乗が大変な方でも電動車椅子操作を体験してもらいたい」
という事で、その方の専用車椅子をまるごと電動ユニットに搭載できる様にしました。
そのため、大人用ストレッチャー型を最大想定サイズとすべく台車筐体のフットプリントを大きく作る必要がありました。

一方、我が家はマンションで、エレベータドアの横幅70cmであるため、日常使いを想定するならば、もっとコンパクトにする必要があります。
そこで、息子の子供用車椅子サイズをカバーするサイズ感を前提にした電動台車を製作しました!


製作方法

走行ベース選定

前提となる走行車両ベースについては、以下の三案で検討しました。
 ① 大人用電動車椅子を購入して、モーター+コントロール部を流用
 ② バランススクータを購入して、モーター+コントロール部を流用
 ③ モータ/ホイール/モータドライバのパーツ一式を調達 & 新規製作

一番 製作物の自由度が高いのは③ですが、開発当初(2021年5月)は屋外道路を走るのに十分な走行性能を持つパーツを揃える事が出来てませんでした。
(屋内用ロボット向けに③の選択肢はたくさんあるのですが、人を乗せながら段差数cmを乗り越え可能な低速移動機器を作るのは、結構大変なんです…)

そこで、②を前提にして、まずは性能評価を試みてみました。

試しにバランススクーターに乗った状態で手動車椅子を後方から押す様な疑似電動化の実験をしてみたところ、
走行性能としては十分な結果を得られました!

そこで、バランススクータの分解ハックを試みようと思ったのですが、
 ・ 娘がバランススクーターを気に入ってしまって分解できなくなった(笑)
 ・ 身元不明なバッテリー(36V)のついた回路周辺を自宅リビングで触る事に抵抗があった (発火の危険あり)
という理由により、②も自粛しました。

そんなところで悩んでいたところ、偶然ながら中古品オークションサイトで電動車いすを見つけました。

新品が販売されているサイト
ja.aliexpress.com

電源が入らないという症状で出展されていたので価格は通常購入3割以下でしたが、モーター類は生きていると予想して、ダメ元で購入しました。
これが大当たりで、どうやら使っていたバッテリーの不良だった様で、外部電源(24V)を使う事で問題なく両車輪を駆動させる事ができました。
このモーターとコントロールユニットを外して、新設の台車に取り付ければ、それを外部コントローラで制御できれば、
思ってた機体が作れるかも!

無事にベースパーツが見つかった事で一気に製作モチベーションがあがり、GW期間を使って開発を進めました。




筐体製作:アルミフレーム

まずは Fusion360を使って、筐体デザインを考えてみました。
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台車型で難しいと感じたのは、モータの取付位置ですね。手押し車椅子の横幅が約44cmでしたので、
厚みのあるモーターを手押し車椅子の下につける or 横につける で悩みました。
 ・モーターを下につける → 台車の高さが上がる
 ・モーターを横につける → 台車の幅が広がる
今回はコンパクトさを重視するため、【モーターを下につける】にしました。
その結果、手押し車椅子の高さが上がってしまうので、手押し車椅子の乗せ下ろしが課題になりますので、そこは別途 対策を考えたいと思います。


台車部分については、『アルミフレーム』を初めて使ってみました。

jp.misumi-ec.com

特にmisumiのアルミフレームを使うと、
 ・任意の長さ(mm単位)のアルミフレームを購入可能
 ・L字などのパーツで簡単に90度取付などができる
 ・ネジ取付位置を自由に変更できる(後はめパーツ)

等、強度が必要な製作物を作るのに便利です。
(ただし、misumiは法人/個人事業主の方しか使えないサービスなので、個人事業主になるか、友人等に代理購入などをお願いするか、という事が必要になります)

ただ、今までアルミフレームを使った事がない人にとっては、
「パーツの種類が多すぎてどれを選んだらいいか分からない」
そんなときにおすすめなのが、MiSUMi FRAMES】というソフトです。

これでデザインすると部品表にまで落ちてくれるので、最初の一歩に向いています。

到着したパーツは、六角レンチ一本で簡単に組み立てていけます!

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筐体製作:板金製作

アルミフレームへのモーター固定については、もっとも荷重がかかるポイントでもあるので、ちゃんと板金を作って固定する事にします。
そこで、MiSUMiのMeviyという板金製作サービスを使ってみました。

meviy.misumi-ec.com


fusion360でデザインしたパーツを板金パーツとして設計する方法は以下記事を参考にしました。

tiny-teko.com

板金化したのは以下の計4か所のパーツ
・駆動輪のモーター固定パーツ
・補助輪のキャスター固定パーツ

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fusion360で製作したCADデータでそのまま板金が出来る!
そしてわずか3日で届く!
すごい!

補助輪の固定については、板金だけだと厚みが足りず駆動輪との高さ関係が合わなかったので、
3Dプリンタで厚みを増やすパーツを作り、両端を板金で挟み込む」
という構成を作りました。

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板金+3Dプリンタを組み合わせたら強度の高い立体物も製作できる
ので、とても便利ですね!





メカ製作 完了

初めての個人でのフレーム製作でしたが、大人が乗ってもビクともしない安定した台車の機構が無事にできました!!

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今回の製作は我が家のリビングで行っていて、まさに実際に使用する環境の場所そのもので製作していたおかげで、
製作時に配慮が漏れそうな日常の動線(狭いエレベータや運搬用廊下)も問題なく通れる等、
様々な実用課題へのフィードバックを作りながら実施する事もできました。


超具体的な利用シーンをイメージしながら製作する
事の重要性を認識しています!



アルミフレーム+板金+3Dプリンタ


この3つを組み合わせれば、
人の体重を支える事の出来る強度を持った製作
を個人レベルでもできるので、とてもありがたいですね!

電動車いすの様な低速のモビリティ製作はもちろん、
例えば歩行支援機器や、モニター固定など物理的強度が必要な身近な支援機器も
比較的安価で作る事ができるので、技術の応用で色々と作れそうですね!



さて、ここから電気走行系の開発に進めたいと思います。
記事が長くなってきたので、次のページで紹介したいと思います。

M5ポータブル エレベータ操作パネル ~外出できない子供達に向けた自分だけの専用エレベータ体験~

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外出できないエレベータ大好きな子供のために、持運び可能なエレベータ操作パネルを製作。本物パネル(ジャンク品)をM5Stackでハック&その子の好みに合わせてカスタマイズ

病院のベットの上や、自分の部屋の中、いつも過ごしている日常の中に持ち込める
『その子専用エレベータ操作パネル』 です。

製作動機

きっかけ① : エレベータ好きの「あの子」のためのモノづくり**

2020年11月
「長期入院でベットから離れられない我が子に、大好きなエレベーターボタンを押させてあげたい」
という親御さんから相談を受け、ベッドの上でも擬似的にエレベーターを楽しめる体験として本製作を行いました。


その子にとっては他の何にも変えられない程に、大好きなモノであるエレベータ!

特に障害を持った子供達や、こだわりが強い子供達にとって、
大好きになったモノが見つかれば、他の事に目もくれず全力で遊びます。
(弊息子もこだわり強く「ボール転がし」が好きな時期は、とにかくボールを見つけたら夢中で転がし続けていました)

そんな「大好きなこと」を思う存分に遊ばせてあげたい気持ち、本当によく分かります!


しかし、その「好きな事」がニッチであればある程、クリーンヒットする市販品が見つからない

見つからなければ、作るしかない!


きっかけ② 「誰かのため」が次の「誰かのため」へ

上記製作品をSNS(Twitter)に投稿したところ、多くの反響を頂き、改めて「その子の「好き」に突き刺さるモノを作ることの価値」を実感していました。
そんな中、2021年5月に
「動画で見たモノと同じ様なエレベータパネルを我が子に作って欲しい」
と相談を受けました。

なんでもそのお子様も「将来の夢はエレベーター」と答える程のエレベーター好き!
そして、リアルをとことん追求するくらい熱中するタイプらしいのですが、好きな事以外にはほとんど興味を示さないため、遊ぶオモチャはかなり限られてしまう。

だからこそ、欲しい!というものはなんとか叶えてあげたい!

その言葉に、とても胸が熱くなり、
「是非とも製作してあげたい!」と製作を実施しました。

そのお子さんの好みをヒアリングしたところ、
「大好きなエレベータがある!」
FUJITEC製のエレベータを紹介してくれたので、今回はその子の大好きなエレベータを再現してみました。

お子さんの無邪気に遊んでいらっしゃる姿、何度も繰り返し楽しんでる姿に、胸が熱くなりました。





ハード構成

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システム構成図は上記参照。
本物のエレベータ操作パネルはオークションサイト経由で入手。(最近だとAliExpress で入手可能です)
本物パネルの手触り感(操作ボタンの触感)をそのまま使いつつ、表示部&音声部をM5Stackで後付けで取り付けました。

M5Stackでは、全体制御 及び フロア表示 や 行先フロアの選択(エレベータパネルにフロアボタンがないため代用) を行っています。また、8×8のLEDマトリクスを斜めにして、上下のエレベータ移動時の矢印を表現しました。音声は、実際のエレベータのある環境でマイク集音を行いMP3化した上で、DF player Miniデバイス経由で音声再生を行っています。

本体ボタンは12V供給が必要でしたが、5Vからの昇圧回路 及び レベル変換回路を組み合わせる事で、エレベータパネルへはUSB 5V給電のみで動作させる事ができました。これにより、実ユーザーの手元でも簡単に調達できるスマホ用モバイルバッテリーで遊ぶ事ができます。


当初の試作初号機(2020年11月)製作後に様々に反響を頂き、その後に3台ほど追加製作もする事になりました。
その際のユーザーヒアリングの中で
「いろんなエレベータメーカーの音を選びたい」
という要望があったので、それを受けて、起動時に複数メーカー音を選べる配慮も追加しています。


終わりに

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私は普段、息子や家族の役に立つものを作りたい想いから、個人製作活動をスタートしてきましたが、
こうして自分の製作スキルを通して、我が家以外の人たちの何か力になれるというのは、とても感慨深いです。

特に、自分が製作したモノを通して、お子さんの無邪気に遊んでいらっしゃる姿、何度も繰り返し楽しんでる姿に、胸が熱くなりました。
こうして実際に使ってる姿を見せてもらえるのはすごく嬉しい!

作ったモノを通して、子供達の笑顔を引き出せた事は、何よりの製作ご褒美ですね。

何よりも、
入院中のお子さんに病室でも大好きなエレベータを遊ばせてあげたいと製作した最初のきっかけ
あの子のために作ったモノが、
こうして別の子の笑顔に繋がった事がすごく嬉しいです。

作ったモノを発信し続けて良かった


この記事やこの製作品、製作活動を通して、
また別の誰かに繋がっていけばいいな、と思い、
改めて執筆いたしました。

【まとめ】2020年ふりかえり ~家族のためのモノづくり~

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2020年も終わりを迎えます。
今年は、個人活動に加えて、本業、友人らコミュニティでの活動と、
3つのいずれも大きな変化があり、活動世界が広がった年になったと思います。
今年も製作物の観点で 2020年を振り返りたいと思います。
 
『息子のために、家族のために、誰かのために、
 自分の技術を生かしたモノを作りたい!』


単に「面白いだけ」ではない

普段の何気ない困りごとに直結しつつ、
ちょっとした遊び心にワクワクしながら、
子供の成長に繋がるモノ、使って貰い続けられるモノを作りたい!

これが私の個人活動の根幹になっています!


 
とにかく手を動かし続け、公開しているメジャーなモノだけで
今年は【28個】ほど個人活動で作っていた様です。

また今年は、本業側でも大きなプロジェクト公開を出来たり、息子や家族以外に向けたコミュニティでの製作にも活発に取り組む事ができました。

特に後述するオンラインサロンでの開発活動のおかげで、
作り手/使い手/仲間達と一緒に共創する楽しさ&可能性
を強く感じた一年でした。


以下、2020年度の製作物について、ジャンルごとに分類してみました。
(かなり文量が多くなってしまったので、まずは目次を参照頂き、興味のある項目をクリックして該当箇所へ飛んでいく方が見やすいかと思います)


ちなみに、2019年度の製作物まとめは以下です。
ogimotokin.hatenablog.com



★は特に思い入れ深いモノ

息子のリハビリ支援&ゲーム編

(1-1) ★壁タッチでボール転がしプロジェクションゲーム[4月]

コロナ禍で外出できず、外来リハビリを受けれない息子に向けて主体的に体を伸ばせる様な仕掛けを作りたい!と自宅内に「チームラボみたいなプロジェクションゲーム壁(インタラクティブ壁)」を製作。
息子の大好きな「ボール転がし」をVR化、壁をタッチするとそこからボール転がしゲームが始まります!

製作方法はこちら
ogimotokin.hatenablog.com





(1-2) スプラトゥーン風インク壁塗りプロジェクションゲーム[5月]

前回製作したリハビリ用プロジェクションゲームのバリエーションを増やしてみた。スプラトゥーン好きな母&娘にも喜んで貰える様に、壁や床を触るとスプラトゥーンの様にインクをべちゃっと塗りつける事ができます!
更に、顕微鏡風デバイス上のLEDを押すと、その下にある色を捕まえれるので、色のお勉強にも活用する事を狙いました。

製作方法はこちら
ogimotokin.hatenablog.com






(1-3) ★病室の天井に青空を!気球プロジェクションゲーム[8月]

今年7月に足手術を実施し、ベットから動けなくなった息子。
そんな状態でも自分の意志で楽しく遊べる様に寝たまま遊べるアトラクションを作りました。天井向きにプロジェクタを投影、ベットから手を伸ばすとそこから気球が飛び出します!


こちらの作品をTwitterに上げたところ大変反響があり、この後にめざましテレビ」に出演するきっかけとなりました。


www.youtube.com







(1-4) ボールを吹っ飛ばせ! ビリヤードプロジェクションゲーム[9月]

息子や子供達に体を動かした簡単な対戦ゲームを作る目的で製作。
バーチャル上のボールを触って激しく吹っ飛ばすビリヤード風ゲームを作りました!
普通のビリヤードに比べて、思いっきりボールがはじけ飛ぶ感じが楽しい!


テレビ出演からのご縁で、息子の入院先の子供達にも本プロジェクションゲームを遊んで貰う機会を頂きました!
入院中の子供達が「何これー?遊びたいー」と寄ってきて遊んでくれた!
たくさんの子供達の笑顔が見れて嬉しかった!

「入院中の子供達にこそエンタメが必要」と強く実感させられました。






(1-5) 楽しくボール手運び練習!改造くるくるチャイム[1月]

ボール転がしが好きな息子の好奇心を広げつつ、指先を使った把持&リリースのリハビリ練習を楽しく行える事を目指して製作しました。
市販品「くるくるチャイム」の内部に、測距センサーを埋め込みボール位置を検知、LEDテープ& 効果音を鳴らすという追加改造を行いました。


製作方法はこちら

ogimotokin.hatenablog.com

製作以降、お気に入りのおもちゃの一つとして遊び続けてくれています。
展示会でも人気作品のため使い込んで筐体は傷だらけですが、たくさん使い続けてくれて嬉しい品の一つですね。







(1-6) ★スイッチで選ぶ「かおす暴走くまさん」[1月]

知的に遅れのある息子の好奇心をこじ開け、自分の意志で「選ぶ」行為を楽しく経験できる様したい狙いで製作しました。
「ふつう」「ぼうそう」「かおす」の3モードをスイッチで選択すると、激しい動きになる(笑)
簡単な技術で、子供や大人を、笑顔にしてくれる魔法のくまさん

展示会でも子供達に大人気な暴走シリーズ。今年のMaker Faire Tokyo 2020でもTop10に入るバズり方をしたとの事です。


障害のある子の課題を解決したいというきっかけから、障害に関係なくヒトを笑顔に出来るモノを作れたというのは個人的にもすごく嬉しいです



(1-7) 鬼を切る! 全集中ハロウィンロボット [11月]

息子の通っていた療育園のハロウィンパーティにて、「自分の意志でスイッチを押したくなる様な子供達が喜ぶハロウィン仕掛けを作れないか?」という依頼を受けて製作しました。

当日の様子は拝見できなかったのですが、後から動画等で見せて頂き、子供達が楽しそうにスイッチを押してくれている様子にこちらが元気を貰えました!

誰かのために作る、は
めぐり巡って
自分のためになる




(1-8) ★入院中の我が子にエレベータ体験を! M5Stackで作る本格エレベータパネル [11月]

「長期入院でベットから離れられない我が子に、大好きなエレベーターボタンを押させてあげたい」という親御さんからの相談を受けて開発しました。

こだわり強い子供達にとって、大好きになったモノが見つかれば、他の事に目もくれずそれに対して全力で遊ぶ。
「大好きなこと」を思う存分に遊ばせてあげたい親心、本当によく分かります!
そして、その「好きな事」がニッチであればある程、クリーンヒットする市販品が見つからない
見つからなければ、作るしかない!

「その子専用の好き」を作ることこそ、
モノづくりをする人達が輝ける舞台だと思ってます。

今まで積み重ねてきたものを使い、誰かの願いを叶える事に繋がって嬉しい…






移動/モビリティ編

(2-1) ★電動車椅子の1ボタン操作ユニットの開発 [1月]

息子が屋外の通学路等で電動車椅子の操作練習をできる環境を作りたい目的で製作しました。
大人用の電動車椅子サーボモータ3Dプリンタ治具で物理ハックし、子供が操作しやすい1ボタンスイッチに加えて、大人介助者が無線で左右方向を補正サポートできる操作練習システムを作りました。

製作方法はこちら

ogimotokin.hatenablog.com


この取り組みは大当たりで、馴染みのある場所で「自分の意志で進む」事で、息子の周囲の環境(家や車など)を見るという認知面での成長のを感じました!


また、ご縁があって毎日新聞の全国版に掲載頂きました。

youtu.be
脳性まひの息子のために 「メロディー靴」や「じゃんけん専用義手」 支援機器を自作で50個開発 - 毎日新聞




(2-2) 電車&バイクコントローラで遊ぶ電動車椅子[2月]

息子のための大人用電動車椅子、空いてる時はお姉ちゃんも遊びたいよね!
という事で、気軽に遊べる様な
「遊びゴコロ溢れた電動モビリティ体験」
を作ってみました。

Nintendo Laboバイクコントローラ」「電車でGo!コントローラ」「Fisherpriceおもちゃコントローラ」
の三種類で電動車椅子を操縦!

主に小学生の子供達をターゲットにした「わくわくモビリティ」として電動車椅子で遊べる体験をこれからも作っていきたいですね。






(2-3) ★ 電動車椅子練習支援 片手介助コントローラ [4月]

大人用電動車椅子を使って本格的に息子の操作練習を進めていく中で、
息子が安心して通学路を走る際に一緒に手をつなげる事が重要でした。
そこで片手で手を繋ぎながら、もう片手で息子の走行サポートが可能な片手無線コントローラを製作しました。

これを使って、GWには祖母の入っている分身ロボットOriHimeを電動車椅子に乗せてドライブする息子

製作方法は以下
ogimotokin.hatenablog.com


この製作システムは一旦安定したので、5月以降は毎週ペースで練習をしていて、走行操作の成功率や認知面もどんどん進んできました!
日常的に活用できていて息子の成長に非常に役立っています!





(2-4) 歩行練習を楽しくするXR風歩行器[10月]

足の手術を終えて、あらためて息子の「歩行リハビリ」を進めるに辺り、「歩く目的」を楽しいゲーム形式にしてモチベーションを高めるために開発しました。
歩行器から床にプロジェクション投影させたバーチャル都市を、歩きながら壊して回る(笑)


プロジェクタ光量不足のため、暗いところ限定である点が課題だが、「モノを壊す→楽しい→もっと歩こうというモチベーション」という体験価値としては良さそうな感触。この着想を次のアイデアに繋げていきたい







(2-5) 歩くとピカチュウが応援してくれるメロディ靴 [2月]

息子の歩行リハビリのモチベーションを高めるために2019/1に製作したリハビリ靴。
これを他のお子さんの歩行リハビリに取り入れてみたいとの相談を受けて、新たに製作しました。
そのお子様が「ピカチューが大好き」との事でしたので、「歩く度にピカチューが応援してくれる靴」をコンセプトに製作しました。

ベースとなる息子用に製作したメロディ靴の製作記事はこちら
ogimotokin.hatenablog.com




息子 就学生活サポート編

(3-1) 学校気分を感じるおうち勉強スケジューラ [4月]

コロナ禍で臨時休校となった状況の中、新1年生となる息子に学校の生活リズムに早くなれて欲しい & 娘に自主的に勉強する気持ちを後押ししたいという目的で製作しました。学校風のチャイムを鳴らして子供の時間割を管理、オリジナルの時間割に合わせて自動でチャイムが鳴り、次の科目をお知らせしてくれます!

娘を積極的に製作に巻き込んだおかげで、学校チャイム音に愛着を持ってくれ、自主的に勉強に励んでくれました。
ただモノを作るだけでなく、「モノを作る過程」を共有する事も大事だと、娘からメイカー姿勢を教えてもらった気がします。





(3-2) ★コミュニケーションを楽しくするあいさつ&ロボットハンド [5月]

小学校へ入学した息子がクラスの子供達と打ち解けるきっかけを作りたい、言葉を話せない息子が自分の意志で「友達とあいさつする事」を習慣づけていきたい、というのが製作動機。
ボタンを押すと「おはよう」「バイバイ」等、自分の口&手の代わりに可愛く挨拶してくれるロボットハンドを製作。

こちらをTwitterに公開したところ、「是非 使ってみたい」とのお声がけを頂き、追加でカスタム量産しました。
また、合わせて「じゃんけん機能」も追加しました!


開発きっかけは、吉藤オリィさんと一緒にSMAの女の子が自分の意志でじゃんけんするためのロボットハンドです。

それが1年経って、我が子の就学に向けたコミュニケーションツールに進化した!
友達の困り事を解決するため試行錯誤して作ったツールが、こうして我が子の成長に繋がってく素敵なループ!

6か月経った今、息子の小学校生活で欠かせない発明品になりました!
こうして使い続けれるモノとして進化した事、本当にすごい!




(3-3) 誕生日ケーキのろうそく吹き消し装置 [7月]

誕生日会にて、うまく口でろうそくを吹き消す事の出来ない息子に、口以外の手段を使い「自分の力で」ろうそくを消して欲しいと思い製作しました。
製作物は単純な「スイッチを押すと回る改造扇風機」、ポータブルタイプのカワイイ扇風機を改造して、普段息子が使っている押しやすいスイッチを接続するというシンプルテクノロジーです。

シンプルな機能でも使い方を工夫すれば、子供の可能性を広げるアシスティブ機器に早変わり!





(3-4) 息子のお風呂姿勢保持(支え)DIY装置 [4月]

身体の成長に伴い今まで使ってきたバスチェアーがサイズアウトしてしまい、息子のお風呂介助に悩む妻の困り事を解決するため、ホームセンターで売ってる塩ビパイプで座位補助器具を作ってみました!

製作方法は以下
ogimotokin.hatenablog.com

器具に捕まれば座った状態を保てるので、妻は息子介助しながら安心して自分の体を洗う事が出来ます!
シンプルな製作内容で、効果はばつぐんでしたー!





(3-5) 100均グッツで作れる装着性良いフェイスシールド開発 [4月]

コロナ禍中、マスクやフェイスシールドの不足が叫ばれている中、自分の身近なところから最前線で頑張っている方々のお役に立てないかと考えて、量産性も加味した実用的なフェイスシールドの製作として検討を進めました。

製作方法は以下
ogimotokin.hatenablog.com

息子の通っていたリハビリのST先生方に10個程寄付させて頂き、「長時間かぶっていても疲れない」と好評頂き、結果としてフェイスシールドが安定供給される様になるまで数か月程ご使用いただきました!





(3-6) 入院中のYoutube動画スキップ専用 物理ボタン [7月]

足手術後でベットから動けない息子の最大のエンタメツールiPad & YouTube
息子のストレスを最小化させるため、動作再生途中のYouTube広告を自分で早送りできる様に、iPadを物理スイッチで操作可能なコントローラを製作した

使いはじめてから明らかに息子のイライラ頻度も減った!
YouTubeの広告を飛ばしたい」というささやかな困り事も、押しやすいスイッチを追加するという簡単な一工夫で、一気にストレス解放!





(3-7) タッチできない息子向け OriHime専用コントローラ [8月]

長期入院中でもクラスメイトとの繋がりを絶やさず重ねていくため、分身ロボットOriHimeを使って、入院先から遠隔で小学校授業に参加する実証実験をプライベート取り組みしました。ただし、息子はOriHime操作で必要となるフリック操作 & タッチ操作が苦手
のため、自分の意志で簡単なアクション操作を表現してクラスメイトと接して欲しいと考え、OriHimeのiPadアプリを物理コントローラで操作できる変換デバイスを開発しました。

おかげで入院中も定期的にクラスメートと交流を重ねる事ができました!



(3-8) 文字学習用ポータブル電光掲示板 [12月]

小学校で始まった文字学習になかなか集中できない息子に対して、自然と文字に目がいく様な & 伝えたい言葉を自然に覚える仕掛けを作りたいのがきっかけ。
そこで、スマホで操作可能なポータブル電光掲示板(文字が光る & 動く) を製作した

また、このハードウェアを使って、ちょうどクリスマスツリーイルミネーションにも展開してみた!


製作方法は下記
ogimotokin.hatenablog.com


来年はこの電光掲示板を活用して色々と仕掛ける予定ですので、お楽しみに!





(3-9) スイッチ/視線入力で演奏する8音ベル演奏装置 [1月]

2019年クリスマスに、療育園最後のクリスマス会で肢体不自由の同級生8人で何か演奏体験をできる様に作ったハンドベル演奏装置。
ただ、この時にスイッチを押すのが苦手だった子に演奏体験を作ってみたい、と考え、自由研究がてら「視線入力I/F」にチャレンジしました。

視線入力システムの開発は初めてでしたが、OriHimeEye+自作アプリ を使って精度良く鳴らす事はできる様になりました。
一方で、画面越しの静止画ではなく、実際のハンドベル等の動くモノを注視したくなる事、また息子は視線を使うよりも、手を使う方が好きそうな事もあり、その後の開発は中断していますが、ニーズが増えそうなら改めて再開したいですね。


(3-10) ボール転がし×楽器演奏装置 [10月]

ボール転がしが好きな息子、更に音楽そのものも好きなので、その両者を組み合わせたらどの様に好奇心を引き出せるのかを試験的に製作したモノになります。
ボールを転がすと、転がした位置に応じて、(3-9)で製作したハンドベル演奏装置が点灯します。こちらは、MFTokyo2020 に展示していました。

息子自身も楽しそうにボールを何度も転がしていたのですが、音楽演奏がリンクしていたかはもう少し考察が必要そうです。それも含めて、子供の好奇心を引き付ける新しい演奏体験を来年も進めていきたいですね




仲間たちとのモノづくり活動

活動概要

自分の息子や家族のために磨いた技術を、仲間達や困っている人達にも繋げていきたい
という想いではじめた個人活動!

2019年から、吉藤オリィさん(@origamicat)やてらきゅー工場長さん(@toma18720)ら仲間達と分身ロボットOriHimeを使って、パイロットさんらと一緒に新しい遊び体験を自由研究する取り組みを続けてきました。

また、2020年5月~は吉藤オリィさんのオンラインサロン「オリィの自由研究部(オリィ部)」に参加して、障害を持った方などの抱える身近な困りごとを解決するアイデア検討/モノづくり/体験イベントをユカイなメンバー達でワイワイと取り組んでおります。(12月時点でメンバー500人超え!?)

緩いアットホームな雰囲気、メンバーのリアクションの良さが特徴の素敵なコミュニティです。
ご興味がある方は、是非ともご参加頂き、誰かのためのモノづくりや孤独を解消するワクワクする取り組みを
一緒に楽しみながらやっていきましょう!

community.camp-fire.jp




(4-1) ★オンラインボッチャ(ミックスボッチャ)装置[10月]

オリィ部の発明検討会での2020年6月での投稿
「コロナ禍で集まれなくても、家からでも、遠くからでもボッチャを楽しみたい」
という相談から生まれたプロジェクト。
PCやスマホを使ってボッチャランプ(斜面台)の左右上下を操作できる装置をメンバーで開発しました。

10月末に本格的なボッチャ大会を開催

単にモノを作るだけではなく、実際にみんなで盛り上がれる大会を開催できたのは非常によい経験でした。

開発者だけではなく、実際に使って楽しんでくれるプレイヤー、ゲームとして大勢が楽しめる様に企画してくれるイベンター、
実況や声援で盛り上げてくれる人、「頑張れ!」と応援してくれる人、そんな人の繋がりがあるからこそ出来る体験だったと思います。
これぞ「仲間達とのモノづくり」の醍醐味だなぁ、と一番実感しました!

こちらも来年に向けて継続進化していきますので、お楽しみに!




(4-2) リアル×バーチャル床プロジェクション投影システム[11月]

個人製作で取り組んできたプロジェクションゲームシステムをオリィ部活動と組み合わせた実験を様々なに実施しています。
公開できるモノとして、上記のオンラインボッチャ大会で取り組んだ、「ボッチャ×プロジェクションゲーム」の取り組み紹介です。

10月のMaker Faire Tokyo会場でも活用できた明るい環境でも投影可能なプロジェクタを床面に投影して使用、
病院や施設に輸送可能なプロジェクタ床固定台を3Dプリンタ等で製作しました。


(1-4)で製作したビリヤードゲームを床面に投影して、リアルボールを転がしてバーチャルボールを当てて遊ぶ事をしてみました!
また、そのうちのボールの一つをゲームコントローラで操作できる様にして、簡単な対戦ゲーム風にしてみました。
こちらも色々と改良出来そうで、これからが楽しみです! (オンラインサロン内で随時進捗を共有予定)






(4-3) スイッチで操作するタンバリン演奏装置[2月]

オリィ部の発足前、肢体不自由の子がみんなと一緒に楽器演奏を出来る事を目指して自由研究したものです。
ワンスイッチ操作でサーボモータを動かし、タンバリン等を演奏できる打楽器用ハンドを製作。
叩いた際に、光の演出や、面白い効果音も加える事ができるので、面白さアップ!

製作方法はこちら
ogimotokin.hatenablog.com


シンプルな機能の装置ですが、使ってみたいというニーズがたくさんあって、その子専用のカスタマイズ改良版も作ったり等、気が付けば既に8個近くも個人的に量産させて頂きました。

またオリィ部内では音楽演奏に関するプロジェクトも立ち上がり、モノづくりだけでなく演奏体験手段や実際のプレイヤーによる演奏練習も進んでいます。本装置も開発メンバーで製作した開発品の一つとして今後も活用できればいいなぁ、と考えています。







(4-4) 分身ロボットによる遠隔応援システム[3月]

オリィ部の発足前、OriHimeサッカーの取り組みの一環で自由研究したものです。
外出できない友人らと分身ロボットを通して、楽器演奏やサッカー応援を一緒にする体験を作りたいとの想いで製作しました。

製作方法はこちら
ogimotokin.hatenablog.com

OriHimeに様々な外部機器を付けて遠隔からの体験機会を増やそうという取り組み、来年もどんどん加速させていきたいですね。








(4-5) 分身ロボットを動かす遠隔メカナムユニット [3月]

オリィ部の発足前、OriHimeサッカーの取り組みの一環で自由研究したものです。
外出できない友人らと分身ロボットを通してサッカーなどのスポーツで遊ぶ体験や、単身赴任先にいながら自宅にいる家族と分身ロボットOriHimeを通して鬼ごっこ等で遊ぶ事も狙って取り組んだ内容です。

分身ロボットOriHimeを搭載可能な台車ユニットを開発。メカナムホイールを搭載しているので、前後左右に自由に移動できる。
4G経由でスマホから台車を操作できるので、自宅からOriHimeを自由に動かす事ができます。
コロナ禍で中断したOriHimeサッカーも、これからオリィ部活動の中で進化していくかも!? お楽しみに!






(4-6) その他

上記はごく一部で、オンラインサロン内でしか公開されていない現在製作中 & ブラッシュアップ中の開発品もたくさんあります。
(さっと数えただけで4個くらいあります)

また、現在進行形の製作品(失敗事例含むw)もサロン内では適宜 進捗状況を参加メンバーと共有しながら進めております。




本業でのロボティクス研究開発活動

上記の個人製作活動、仲間とのコミュニティ製作活動も実施しながら、本業側でも子供達の未来に向けたロボティクス技術の開発を行っております。本年は、私がメインで関わっているプロジェクトのプレスリリースが複数ありましたので、合わせて簡単に紹介させて頂きます

■ 追従型ロボティクスモビリティ(ロボット車椅子) 商品リリース [9月]

・前方の車椅子を自動で追いかける自動追従機能
・障害物があれば自動で停止する自動停止機能
・複数機体で連携して走行できる隊列走行機能
を本業メンバー・関係各者で連携して開発、商品化できるレベルまで完成度・安定性を高めて、無事に発売する事ができました。


■ 自動配送ロボットの住宅地(屋外公道)の実証実験 [12月]



息子の足の代わりとなるモノを作りたい想いで家電開発→ロボット開発者にジョブチェンジして2年半、足の不自由な方の「移動をサポートする技術」の実用化に少しでも貢献できて感慨深いです!
直接的な福祉分野とは少し違う領域から切り込み、長期観点で「息子の様に移動が困難な人たちの世界を広げる」可能性を作りたい、と思って、本プロジェクトに取り組んできました!
 (その代わり、超直接的な困り事解決は、個人でやってしまおうというスタンスです)


本業でも
個人モノづくりでも
友人らとのモノづくりでも
自分の想いは変わらず

息子や家族、障害を抱える誰かの日常に役に立てるモノを作りたい

その手段の一つとして
様々なロボット機器が浸透し
人をサポートしてくれる世界
「できない」を「できる」「楽しい」に変わっていく世界

いろんな垣根を越えて、同じ想いの人達と協力して目指したいですね!





終わりに

気が付けば、製作物の紹介がかなりの長文になってしまい、すいません。

今年は、コロナ禍に始まり、息子の療育園卒園、緊急休校、そして小学校入学する間もなく3カ月に及ぶ手術入院と、家庭としても非常に変化の大きかった1年でした。
ただ、その分、小学校や病院など、新しい環境に変わったからこそ気付けた課題、そしてその課題にタイムリーに課題解決できるモノを作れたのは良かったなぁ、と思います。


今年の豊富と掲げていた

 「①友達とのコミュニケーション」
 「②電動移動(モビリティ)」
 「③好きな事(音楽/ゲーム/斜面)」
をテーマに、息子が「やりたい事」を見つけ引き出していくサポート機器を考える

はしっかりと目標達成できたかなぁ、と思います。


また、スキル面でも昨年までのハードウェアモノづくりからステップアップして、Unityを使ったデジタルコンテンツ製作に取り組む事が出来ました。
その結果、子供の好奇心を引き出す手段が増えて、製作の幅が更に広がった気がします。


更に、「家族以外にも使って貰える環境」にも恵まれたなぁ、と思います。
入院先の病院や、MFTokyo会場、更にはオンラインサロンでのプロジェクト活動など、
自分達が作ったモノが子供達に遊んで貰い、新しい体験に繋がっていったのは
本当に嬉しい事です。また、個別の製作相談も増えてきて、自分のスキルを頼りにしてもらえる実感も感じてきて、一人のエンジニアとしても大変光栄に感じています。



2021年は、息子や家族に向けてのモノづくりとして、

『① 息子用車椅子モビリティの進化』
『② 小学校生活で使えるアシスト機器の開発/導入』
『③ 娘とのコラボによるリアル×バーチャルを組み合わせたリハビリ機器の製作』


に取り組みたいと思います。
特に、息子の小学校生活にて友達と一緒の体験を出来る様なテクノロジーでアシストしていければ、と思っています。


また、コミュニティ活動としては、
特に「仲間とコラボしたワクワクするものを作る」「自分が手放しで使って貰えるモノを作る」
を意識したいと思います!
自分のスキルだけでは足りないところを補いあったり、また一緒に作る/使う/遊ぶ体験を重ねながら、誰かの「できない」を「できる」「楽しい」にしていけるモノを自由研究していきたいと思います。

引き続き暖かく見守って頂いたり、アドバイス等いただければ大変嬉しいです!

「ポータブル電光掲示板」を作ってみた ~ESP32×LED Matrixで日本語表示~

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製作目的

最近、文字に興味を持ち始めてきた息子。
本を読んでる中でも、ふと介助者の指をひっぱって「これ読んで」と言わんばかりの動作をする。

しかし、知的障害を有し好き嫌いの激しい息子に対して、普通の教科書などでの言葉の学習はなかなか難しい。
興味のない本に対しては、わずか一分も持たずポイっとされてしまう。
また、iPadなどのアプリを使って文字学習を行う事もあるが、
最近ではiPad = YouTube動画を見るモノ」という先入観が打ち勝って、
なかなかiPadを渡しても、文字勉強に活用するのが難しい…

そこで、息子が興味を持つ様な表示方法を用いて、「自然と文字に目がいく様な & 伝えたい言葉を自然に覚える仕掛け」を考えてみた。

製作物

スマホから入力操作できるポータブル電光掲示

スマートフォンやPCでウェブブラウザを開いて文字を入力、その文字を電光掲示板上に大きく表示するというシンプルな機能です。日本語も表示できるので、小学生の漢字のお勉強等に活用できます。


ハード構成

電光掲示板(LEDマトリックス)には、以下の部品を使っています。
amzn.to
amzn.to

4mmピッチ(P4)もしくは3mmピッチ(P3)の横64Pixel×縦32Pixelの電光掲示板を使っています。こちらの制御規格は"HUB75"と呼ばれるものだそうです。

ryosukeeeee.hatenablog.com
qiita.com

本規格について詳細は上サイトを参考にさせて頂きました。
この規格I/Fの良いところは、デイジーチェーンの様に複数のパネルをつなげる事でパネルを大きくする事ができる点です。




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こんな風に、2枚を接続するのも簡単です。
なお、電光掲示板はピッチサイズも様々なモノが販売されている様なので、必要なサイズに応じて選択すればよさそうです。


制御マイコンは、単体でネットワークに接続可能なESP32 DevKit Cを使いました。
amzn.to

esp32 dev kitCとLEDマトリクスのHUB75端子と直結して使用します。(IDCケーブル フラットリボンケーブル)
Amazon | uxcell メスコネクタ エクステンションワイヤー アダプタ IDCケーブル フラットリボンケーブル 8ピン 2.54mmのピッチ 30cmの長さ 5個入り | DIY・工具・ガーデン

接続ピン構成は以下としました。
R1 : 25 G1 : 26
B1 : 27
R2 : 21 G2 : 22
B2 : 23
A : 12 B : 16
C : 17 D : 18
CLK : 15 LAT : 32
OE : 33

ソフト構成① LEDマトリクス接続

LEDマトリクスの描画方法についていくつかのライブラリを試してみましたが、以下のライブラリを使うと、後述する日本語フォントと相性が良さそうでした。
github.com

描画ライブラリの使い方は、M5Stack等の液晶表示に使われるAdafruit_GFX.hと同じ感覚で使えます。
例えば、以下の様な描画サンプルになります。

#include <ESP32-HUB75-MatrixPanel-I2S-DMA.h>
MatrixPanel_I2S_DMA matrix;
matrix.begin(R1_PIN, G1_PIN, B1_PIN, R2_PIN, G2_PIN, B2_PIN, A_PIN, B_PIN, C_PIN, D_PIN, E_PIN, LAT_PIN, OE_PIN, CLK_PIN ); 
matrix.drawRect(0, 0, matrix.width(), matrix.height(), matrix.color444(15, 15, 15));
matrix.drawRect(1, 1, matrix.width()-2, matrix.height()-2, matrix.color444(15, 0, 0));
matrix.drawRect(2, 2, matrix.width()-4, matrix.height()-4, matrix.color444(0, 0, 15));

matrix.setTextSize(1);  //1サイズは8×8サイズ
matrix.setCursor(23, 7); 
matrix.setTextColor(matrix.color444(15,15,15));
matrix.println("HELLO");
matrix.setCursor(12, 16);
matrix.println("WORLD!");

なお、2枚以上を接続する場合、以下のサンプルコードや接続方法を参考にすると良さそうです。

github.com


ソフト構成② 日本語表示

上記のライブラリを使った場合、8x8の英数字表記のみになります。子供の日本語勉強などのためには日本語表示は必須となります。
そこで、日本語フォントを導入して簡単に表示可能な環境を作りたいと思います。
・東雲フォント 16Pixel x 16Pixel
・美咲フォント 8Pixel x 8Pixel

の2種類のフォントを導入したいと思います。

これらは予めフォントデータをストレージ等に格納しておく必要がありますが、M5Stackと異なりSDカードスロットがないため、今回はESP32内蔵のフラッシュメモリ(SPIFFS)に格納して使いたいと思います。

SPIFFSの使い方、格納方法は以下のサイトを参考にしました。
www.mgo-tec.com

これは非常に便利で3KB以下のデータであれば、SDカード不要でデータを格納して使う事が出来そうです!

■日本語 東雲フォント(16x16)の導入方法
www.riraotech.com

■日本語 美咲フォント(8x8)の導入方法
www.mgo-tec.com


製作ソフトコードの一部は以下になります。

#include <Adafruit_GFX.h>   // Core graphics library
#include <ESP32_SPIFFS_ShinonomeFNT.h>
#include <ESP32_SPIFFS_UTF8toSJIS.h>
#include <ESP32_SPIFFS_MisakiFNT.h>
#include "FS.h"
#include "SPIFFS.h"

const char* UTF8SJIS_file = "/Utf8Sjis.tbl"; //UTF8 Shift_JIS 変換テーブルファイル名を記載しておく
const char* Shino_Zen_Font_file = "/shnmk16.bdf"; //全角フォントファイル名を定義
const char* Shino_Half_Font_file = "/shnm8x16.bdf"; //半角フォントファイル名を定義
const char* Misaki_Zen_Font_file = "/MSKG_13.FNT"; //全角フォントファイル名を定義
const char* Misaki_Half_Font_file = "/mgotec48.FNT"; //半角フォントファイル名を定義
#define MAX_FONT_NUM 20  //表示文字(16x16)の最大文字数

ESP32_SPIFFS_ShinonomeFNT SFR;
ESP32_SPIFFS_MisakiFNT MFR;

#include <ESP32-HUB75-MatrixPanel-I2S-DMA.h>
MatrixPanel_I2S_DMA matrix;

void setup() {
  matrix.begin(R1_PIN, G1_PIN, B1_PIN, R2_PIN, G2_PIN, B2_PIN, A_PIN, B_PIN, C_PIN, D_PIN, E_PIN, LAT_PIN, OE_PIN, CLK_PIN );  // setup the LED matrix
  //フォントデータバッファ
    if(!SPIFFS.begin(FORMAT_SPIFFS_IF_FAILED)){
        Serial.println("SPIFFS Mount Failed");
        return;
    }
    SFR.SPIFFS_Shinonome_Init3F(UTF8SJIS_file, Shino_Half_Font_file, Shino_Zen_Font_file);
    MFR.SPIFFS_Misaki_Init3F(UTF8SJIS_file, Misaki_Half_Font_file, Misaki_Zen_Font_file);
   // LED表示タスク設定
   TaskHandle_t th; //マルチタスクハンドル定義
   xTaskCreatePinnedToCore(DisplayLED, "DisplayLED", 4096, NULL, 10, &th, 0); //マルチタスク起動
}

void loop() {
  mode_switch = digitalRead(MODE_INPUT_PIN);
  if(mode_switch == 0 && mode_switch_old ==1){
    if(font_16x16==true)  font_16x16= false;
    else                  font_16x16= true;
    display_is_changed = true;
    Serial.println(font_16x16);
  }
  
  delay(100);
  mode_switch_old = mode_switch;
}

void DisplayLED(void *pvParameters) {
    while(1){
      //文字表示
      displayStrCenterToLeftShift(displayStr, matrix.color444(15, 15, 15), 100, true);
      display_is_changed = false;
      delay(100);
    }
}

void displayStrCenterToLeftShift(String str, uint16_t color, int shiftTime_ms, bool skip){
  uint16_t sj_length = 0;//半角文字数 
  uint8_t font_buf[MAX_FONT_NUM*2][16] = {0};
  uint8_t misaki_font_buf[MAX_FONT_NUM][8];
  String strmes = str + " ";
  bool stopflg = false;

  //20文字以上の場合、20文字までに制限する
  //if(strmes.length() > MAX_FONT_NUM*3) strmes = strmes.substring(0, MAX_FONT_NUM-1);
  
  matrix.fillRect(0, 8, matrix.width(), 16, matrix.color444(0, 0, 0));
  //displayStrCenter(strmes, color);


  // 東雲フォント(16x16)
  if(font_16x16 == true){
    sj_length = SFR.StrDirect_ShinoFNT_readALL(strmes, font_buf);
    for(int i=0; i<4*sj_length; i++){
      for(int j=0; j<sj_length; j++){
        drawFont16x16(font_buf[j],font_buf[j+1], 8*j-2*i, 8, color);
      }
      if(stopflg == false){
          delay(1000);
          stopflg = true;
      }
      //matrix.fillRect(0, 8, matrix.width(), 16, matrix.color444(0, 0, 0));
      if(display_is_changed == true && skip == true) return;
      delay(shiftTime_ms);
    }
  //美咲フォント
  }else{
    sj_length = MFR.StrDirect_MisakiFNT_readALL(strmes, misaki_font_buf); //String 文字列から一気にフォント変換
    for(int i=0; i<2*sj_length; i++){
      for(int j=0; j<(sj_length/2+1); j++){
        drawFont8x8(misaki_font_buf[j], 4+8*j-2*i, 12, color);
      }
      if(stopflg == false){
        delay(1000);
        stopflg = true;
      }
      //matrix.fillRect(0, 8, matrix.width(), 16, matrix.color444(0, 0, 0));
      if(display_is_changed == true && skip == true) return;
      delay(shiftTime_ms);
    }
  }
}

Maker Faire Tokyo 2020出展情報 (ブース紹介)

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出展情報

2020/10/3(土)~4(日)に東京・ビックサイトで開催される
メーカーイベント Maker Faire Tokyo 2020に個人として出展予定です。

なお、新型コロナ対策のため、「前売り券のみの販売」「混雑防止」「展示物への接触禁止」などの配慮が行われています。
もしご興味ある方は是非公式サイトから前売り券の購入をお願いいたします!

makezine.jp


私は、『家族のためのモノづくり』というテーマで、
障害を持った息子や家族のために作った自作リハビリ機器・改造おもちゃを出展予定です。

自己紹介はこちら
ogimotokin.hatenablog.com


以下が公式サイトでの私のブース説明になります。
makezine.jp


ただし、大変申し訳ない事に、
初日10/3(土)は家庭の一大イベント(子供達の運動会)に参加するため、
弊ブースは10/4(日)のみの開催とさせて頂きます。
(ご関係者方には迷惑をかけて申し訳ありません。ただし、10/3は夕方に現地到着予定ですので、準備中の状況でしたらお見せできるかと思います)




なお、Maker Faire は昨年2019年に2回(Kyoto/Tokyo)にて初参加させて頂きました。
ありがたい事にMaker Faire Kyoto/Tokyoともに公式ブログにて紹介頂ける等、特にお子様に大好評でした。

makezine.jp


なお、今回の#MFTokyo2020 では、「アシスティブテクノロジー(AT)」カテゴリとして、
以下の10作品を出展予定です。
展示ラインナップ10点、昨年からALL新作状態
になっています(笑)


弊ブースの特徴は、昨年と変わらず
「必要とする人のニーズ目線で
日常的に使える事を目指した
個人モノづくり活動」

です。

Maker Faire用に準備してきたという訳ではなく、
子供や家族、友人らが喜ぶから、成長に必要だから、困りごとをなんとかしたいから、作り続けてきたモノ達をこの機会に展示するスタイルをとっています。


今回はコロナ禍による展示規制により、モビリティやおもちゃ類などの接触して遊んで体験してもらうスタイルを取れないのが非常に残念ですが、
プロジェクタを活用した非接触でのゲームや楽器演奏などの新しい可能性にもチャレンジしてみました。


  

① AT×VR プロジェクション

①-1: 壁 / タッチボールゲーム

[目的] 息子 & 娘向け
・外出できない子供達におうち生活を刺激的に楽しませたい!
・外来リハビリに通えない息子と、立位などのおうちリハビリを楽しく進めたい!(息子が自分から主体的に体を伸ばす様に誘導したい)

[製作物]
自宅内に「チームラボみたいなプロジェクションゲーム壁(インタラクティブ壁)」を製作しました。
息子の大好きな「ボール転がし」をVR化、壁をタッチするとそこからボール転がしゲームが始まります!


[製作方法]
製作方法は以下のページを参照ください。
ogimotokin.hatenablog.com


[コメント]
初めて開発したプロジェクションゲーム作品、今回はプロジェクションブースを設置予定です。センサーを壁から離す事で、壁に接触せず遊べる体験を検討しています。
プロジェクタ光量などの課題があるかもしれませんが、参加された方にはその楽しさを味わってもらえたらと思います。




①-2: 壁&床 / スプラトゥーン風インク塗りゲーム

[目的] 息子 & 娘向け
・外来リハビリに通えない息子の体を大きく動かせる動き(運動)を引き出したい
・塗りたい色を自分で捕まえて選ぶ経験を作りたい
スプラトゥーン好きな母&娘にも喜んで貰いたい(笑)

[製作物]
壁や床を触るとスプラトゥーンの様にインクをべちゃっと塗りつける事ができます!
更に、顕微鏡風デバイス上のLEDを押すと、その下にある色を捕まえれます!


[製作方法]
製作方法は以下のページを参照ください。
ogimotokin.hatenablog.com

[コメント]
触ったところの色を塗るというシンプルながらも楽しいゲーム体験ができました! リアルだと勇気がいる壁塗りたくりも、これなら簡単にできます! 自分で触るだけではなくて、例えば移動ロボットや道具を使って塗りたくったり等、可能性がどんどん広がりそうです





①-3: 天井&壁 / 青空気球打ち上げゲーム

[目的] 息子 & 娘向け
・足手術で入院中 ベットから動けない息子でも遊べる寝たままアトラクション

[製作物]
天井向きにプロジェクタを投影し、天井に向けて手を伸ばすと手の位置から気球が飛び出すプロジェクションゲームを作りました。
飛行機に当たらずに無事に空の彼方まで気球を飛ばせられるかなー?


[製作方法]
上記①-1,2 などのプロジェクションゲームと基本原理は同じです。センサーをベット上に設置し、プロジェクタを天井に向ける様に3Dプリンタで位置調整治具を設計しました。

[コメント]
息子の付き添い入院中、退屈そうに毎日過ごす様子を見て、とっさに思いついた開発品です。基本原理は壁・床と同じですが、障害物センサーの設置・調整方法が大変苦労しました。また、こちらの作品をTwitterに上げたところ大変反響があり、「めざましテレビ」に出演するきっかけにもなりました。
「入院中の子供達にエンタメが必要」と強く実感させられた… 次へ繋げていきます!





①-4: 壁&床 / ハイパービリヤードゲーム

[目的] 息子 & 友達向け
・入院中の息子や子供達に全身を動かして遊べるゲームを提供したい!


[製作物]
壁や地面にプロジェクタを投影し、バーチャル上のボールにリアルのものを当てると激しくボールをふっとばせるビリヤード風ゲームを作りました! 思いっきりボールがはじけ飛ぶ感じが楽しい!

また、このゲームを含めて、実際に入院先の子供達にこれらのプロジェクションゲームを体験して貰いました!



[製作方法]
上記①-1,2 などのプロジェクションゲームと基本原理は同じです。ただし、より画面~センサー間の設置位置調整が必要となるため、独自のセンサーキャリブレーションシステムを作り、自宅以外の初めての環境でも簡単に位置調整をできる様にしました!


[コメント]
「ボール転がし」好きな息子の好奇心を引き立たせるため、あえてオーバー気味にボールを吹っ飛ばしたのが大人気でした!(子供だけでなく大人にも) ちょっとしたサプライズ感に人は心動かされるのだなぁ、と痛感! これも、ヒトが触るだけでなく実際にボールを使ったビリヤードの様な遊び方ができても楽しいかも!? これからの進化をお楽しみに!




② AT×キッズ&ファミリー

②-1: スイッチで選ぶ「かおす暴走くまさん」

[目的] 息子向け
・知的にも遅れのある息子の好奇心をこじ開け、自分の意志で「選ぶ」行為を楽しく経験できる様したい


[製作物]
「ふつう」「ぼうそう」「かおす」の3モードをスイッチで選択すると、激しい動きになる(笑)
簡単な技術で、子供や大人を、笑顔にしてくれる魔法のくまさん

[製作方法]
スイッチに応じて、使う電池の本数を電子回路で切り替えるというシンプル製作

[コメント]
昨年に展示して、とにかく絶大な人気だった「暴走ワンワン」の進化系。
ogimotokin.hatenablog.com

ブースへの客引きとしてブース先頭に配置予定です!





②-2: パリピ改造くるくるチャイム

[目的] 息子向け
・ボール転がしが大好きな息子の好奇心を広げたい
・息子の指先を使うリハビリ練習を自主的に行う様に仕掛けたい

[製作物]
くるくるチャイム内部に、測距センサーを埋め込み、ボール位置を検知させ、ボール位置に合わせて、LEDテープ& 効果音を鳴らすという追加改造


[製作方法]
筐体内に回路を収めるため、Arduino Pro Microを使用。
詳細な製作方法は以下を参照ください。

ogimotokin.hatenablog.com


[コメント]
2020年1月に製作して以降、お気に入りのおもちゃの一つとして、遊び続けてくれました。
おかげで筐体は傷だらけですが、今でも安定して動いてくれてます。

地味ですが、こういう既製品改造は「日常使用のためのモノづくり」のアプローチに適しているので、
その観点でのサンプル紹介です。









③ AT×ミュージック

③-1: 視線入力で演奏する8音ベル演奏装置

[目的] 息子 & 友達向け
・昨年の息子の療育園最後のクリスマス会で、肢体不自由の同級生8人で何か演奏体験をできる様にしたかった
・手を動かすのが苦手な子供も、自分の意志で演奏する機会を作りたい

[製作物]
・8個のハンドベルを8個のスイッチで鳴らします(ハンドベルを持てなくても指先一つで演奏可能)
・8個のスイッチが全部押されると自動演奏が始まる点灯式モードも用意。
視線入力I/Fにも対応! 鳴らしたいベルを見るとその音が鳴る超能力体験!

[製作方法]
ハンドベルを鳴らすのにはソレノイドを使っています。8個のソレノイドを使い、一つのマイコン(ESP32 Dev Kit)で制御しています。
また、視線入力システムとしては、ハンドベル演奏装置にUSB経由でWindows PCを接続。視線入力デバイスは業界お馴染み Tobii Eye Tracking 4C、操作アプリは、OriHimeEye+自作アプリ を使っています。


[コメント]
電気回路(ソレノイド) / 筐体設計(3Dプリンタ) / 台製作(木材DIY) など2019年の数々のモノづくりで経験したノウハウを駆使して、わずか2週間分(深夜時間のみ)で実現した思い出の機器です。

ただ、今回のMFTではスイッチへの接触は難しいため、視線入力の体験に加えて、「非接触対応」に対応した新しい非接触演奏体験も製作してみたので、お楽しみに!




④ AT×ロボット

④-1: 分身ロボットを動かす遠隔メカナムユニット

[目的] 家族&友達向け
・単身赴任先にいながら、自宅にいる家族と分身ロボットOriHimeを通して鬼ごっこ等で遊ぶため
・外出できない友人らと分身ロボットを通して、サッカーなどのスポーツで遊ぶため
(分身ロボットサッカーの取り組みに向けた開発)

[製作物]
・分身ロボットOriHimeを搭載可能な台車ユニットを開発。メカナムホイールを搭載しているので、前後左右に自由に移動できる。
 4G経由でスマホから台車を操作できるので、自宅からOriHimeを自由に動かす事ができます。

[製作方法]
台車はAmazonで購入したメカナム台車キットを使っています。
制御自体は、ESP32マイコン を使い、2つのモータドライバを制御します。上記の電動車椅子と同じ様な無線コントローラを接続可能な事に加えて、UART通信経由でObnizをつなげる事も可能です。
これにより、『①スマホからBlynkアプリ』『②スマホからブラウザ経由でObniz』の2種類からスマホ操作が可能です。

[コメント]
昨年のMaker Faire Tokyoでは、分身ロボットサッカー企画者のてらきゅーとーまさんや分身ロボットカフェのパイロットさえちゃんにも遊びに来てもらい、子供達の操縦するロボットと簡易サッカーを楽しんで遊んでいました。
わちゃわちゃ子供が集まってカオスな感じになってたのが、これまた楽しかったです。
今回の展示会では、大阪にいる家族にOrIHimeで会場に遊びに来てもらい、子供達の操作するロボットと1on1で遊んで貰おうと考えています!


④-2: 分身ロボットによる遠隔応援システム

[目的] 友達向け
・外出できない友人らと分身ロボットを通して、楽器演奏を一緒にする体験を作りたい

[製作物]
・先日に開発した打楽器ハンドを、OriHime経由で操作させるため、OriHimeの腕に加速度センサーを搭載し、
OriHimeの腕の動きに応じてスイッチON/OFFやマスタースレーブ動作を実現するユニットを作りました。
これにより、OriHimeを使いながら簡単な楽器演奏なども実施できます。


[製作方法]
製作方法は以下のページを参照ください。
ogimotokin.hatenablog.com


[コメント]
大阪にいる家族にOrIHimeで会場に遊びに来てもらい、そこで演奏アームを振って遊んだりするデモを予定しています!


④-3: コミュニケーションを楽しくするあいさつ&じゃんけんロボットハンド

[目的] 息子&友達向け
・小学校へ入学した息子がクラスの子供達と打ち解けるきっかけを作りたい
・言葉を話せない息子が自分の意志で「友達とあいさつする事」を習慣づけていきたい

[製作物]
ボタンを押すと「おはよう」「バイバイ」等、自分の口&手の代わりに可愛く挨拶してくれるロボットハンドを製作しました。

こちらをTwitterに公開したところ、「是非 使ってみたい」とのお声がけを頂き、追加でカスタム量産しました。
また、合わせて「じゃんけん機能」も追加しました!


[製作方法]
開発技術はシンプルで、1つのArduinoマイコンで3つのサーボモータ+スピーカを動かしています。しかし、ただ技術的に動くだけではなく、日常生活で「使い続ける」工夫はいたるところに散りばめられています。例えば、車椅子への固定方法、電源スイッチ形状、スピーカ音源など

[コメント]
開発きっかけは、吉藤オリィさんと一緒にSMAの女の子が自分の意志でじゃんけんするためのロボットハンドです。

それが1年経って、我が子の就学に向けたコミュニケーションツールに進化した!
友達の困り事を解決するため試行錯誤して作ったツールが、こうして我が子の成長に繋がってく素敵なループ!

我が家の小学校生活で欠かせない個人開発ツールになっています。お父さんの開発品が我が子の成長に繋がる様に引き続きサポートしていきます。