OGIMOノート~家族のためのモノづくり~

OGIMOテックノート ~家族のためのモノづくり~

重度障害の息子を持つ父親エンジニアの備忘録。自作の電子工作おもちゃ/リハビリ器具/ロボット関係の製作記録、思った事を残していきます

息子 誕生手記 ~865gの小さないのちと、そのいのちに救われた母~

祇園祭宵山、それは息子がこの世に生を受けた日。

2013年に誕生してから、早くも11年が過ぎました。

11年という時が過ぎると、
息子の幼い頃の記憶も少しずつボンヤリしてきましたが、
息子が生まれた時の衝撃的な感覚だけは今でも鮮明に思い出されます。

私達夫婦のこれまでの世界が一気に変わった瞬間でもありました。

当時に感じ続けた、抱えきれない程の多くの不安感。
「高い確率で障害が残る」と告知された事による複雑な感情。
ぐちゃぐちゃになった感情の渦の中、
それでも前向きに頑張ろうと決めた想い。

もし突然同じ境遇になって不安でたまらなくなっている誰かに少しでも寄り添う事ができるのならば、
と当時の手記(facebookでの友人限定記事)をブログにも公開させて頂ければと思います。


~865gの小さないのちと、そのいのちに救われた母~  (2013年7月20日 手記より)

7/16(火) 17時16分 我が家に第二子となる長男【朋克(ともかつ)】がめでたく誕生しました。
元々の出産予定日は11/1。
本来の正常出産は妊娠40週であるのに対して、私たちは24週4日という異例の出産を決断する事となりました。
出産時の体重は865グラム、正常の新生児が平均3000グラムであるのに対して、1/3にも満たない大きさ。
いわゆる超未熟児です。
ここに至るまでの数日間は、まさに現実味を欠いた様な出来事です。
正直なところ、抱えきれないくらい不安な事もたくさんあるけれど、
前向きに頑張ろうと決めたので、
この気持ちを忘れない様に、敢えてこの様な場で綴らせて頂きます。
※注意
現在妊娠されている方、またそのご家族の方に対して、不安を助長させてしまったり、不快な思いをさせてしまったとしたら、申し訳ないです。まず断らせて頂きますが、私たちが体験したのは非常に稀なケース(1%未満)ですので、過剰な心配は不要です。
ただ、出産は命がけであり、奇跡の連続である事、そして万が一の場合でもあきらめず迅速に対応する事、その大切さを少しでも知ってもらいたかったため、敢えてそのままの言葉で記載します。



◆経過
『早期胎盤剥離』という症状をご存じでしょうか?
胎児が子宮の中にいるにも関わらず、胎盤が子宮から剥がれてしまう症状。
現代の医学でも原因不明で、発生そのものは低確率(1%程度)ながら、
発生した場合、母子ともに死亡率が高い症状。
産婦人科の世界において、最も恐ろしく気を付けなければならない現象だそうです。
実際、妻は妊娠7ヶ月目の安定期で、妊娠発覚~当日まで何の問題もない状態でした。
月一の検診でも経過順調との診断。
状況が一変したのは、出産日となった当日の朝。

【7/16 9:30】
その日は京都の実家に帰省して、祇園祭宵山に行く予定でした。
しかし、朝目覚めると、妻が青ざめた表情で訴える。
「出血してる。。。」
落ち着いて状況を確認する。特におなかの張り・痛みは感じないとの事だったが、出血という症状が心配のため、
かかりつけの産婦人科へ車で連れて行く。

【7/16 10:30】
私と二歳の娘は自宅待機、妻からの連絡を待つ。30分後に妻から電話が来る。
「赤ちゃんの心音は聞こえるが、出血が続くのが気になるから、大きな病院に移送して再検査する」
との事。そこで、二歳の娘を急遽実家に預け、私一人で妻の移送先である病院に向かう。

【7/16 12:00】
妻のもとに到着。医師からは「前置胎盤の可能性があり、その胎盤が子宮にこすれて出血した」との説明。
経過観察のため、長期(2ヶ月)の入院が必要とのこと。
ひとまず、出血とお腹の張りを抑えるため、薬を投与して様子を見る。

【7/16 14:30】
薬を投与し続けても、お腹の張りが収まらず。薬の濃度をかなり上げるが、状況は改善せず。
ここに来て医者も別の可能性を懸念して、再度エコー診断を実施。
すると、子宮側面にぼんやりとした影が確認され、ここで状況が一変。
医師から至急の説明。
「子宮の側面にある胎盤が、部分的に剥がれかけてる可能性がある。」
「まだ断定できないが、最悪の場合、本日に帝王切開での出産となる」
………あまりの状況の変化に、頭が全くついていけてない。。。
え?? なんで?? まだ24週目の未成熟な胎児を出すなんて、、、
素人目に見ても、その子の成長に対するリスクが相当ある事は想像付く。とにかく、何かの間違いであって欲しい心境だった。

【7/16 15:30】
私たちのまわりの医師や看護師さんの動きが慌ただしくなってきた。小児科担当や産婦人科の先生方が緊急招集されてきた様だ。
再度エコーを確認、側面側の黒い影が先ほどよりも鮮明に出ている。主治医の先生は決断する。
胎盤の部分的剥離の可能性が高いため、最悪のリスク回避のため24週ながらも出産、緊急帝王切開に踏み切ります。
 これからは時間との勝負です。いいですね?」
何かの間違いであって欲しいと思い込みたかったが、状況証拠からも納得できた事、
そして何より知識も少ない私たちは、すべて主治医の先生に委ねるしかなかった。
ただ、最後に妻に尋ねる。
「頑張れる?」と。
妻は静かに頷いた。これで、僕自身も腹がくくれた。正確に言うと、腹をくくる以外の選択肢がなかった。

【7/16 17:00】
妻が手術室へ向かう。「頑張って!」としか言いようの無い状況。
# 後から聞いた話なのですが、手術室には15人くらいの万全の体制が組まれてたそうです。
# 妻曰く、「ドラマの様なあまりの状況にびっくりして笑けてもたw」との事
# (↑余裕だな、オイw)
# ……自分達の想像以上に危ない状況だった様です。
そこからの時間、私にとっては絶望との戦いでした。
知識のなかった私はネットで「早期胎盤剥離」「超未熟児」について色々と調べると、あまりの内容に絶望を覚えた。
 ・胎盤がはがれると胎児への酸素供給がなくなり、わずかな時間で死に至る
  胎児の死亡率30%~50%、死亡を免れても、低酸素状態による後遺症も数々残るケースも。
 ・もっとも恐ろしいのは胎盤剥がれによる出血多量による母体死亡
  母体死亡率は4%~10%、死亡を免れても、最悪の場合は子宮摘出。
待望の我が子だけでなく、妻を失ってしまう恐怖で壊れてしまいそうなやりようのない気持ち。

[7/16 19:00]
看護師さんから手術成功で母体は無事との一報。
出血量は多く引き続き予断は許せないが、子宮摘出というワーストケースには至らなかった事。
手術室から戻ってきた妻の姿を見て、ここでみっともなく大泣きしてしまった。
ほんとうに、ほんとうに、、、良かった。。。
息子についても、、、母体から取り出された後、迅速に呼吸器補助等の処置して頂き、NICU(集中治療室)に移動されたとの事。
万全の体制で、迅速に対応して頂いたため、特に問題はないとの事。
二人とも無事だったのがこんなにも嬉しく、こんなにも愛おしいって、本当に生きていることに感謝をしました。
迅速な対応と判断で二人とも無事に助かったと思います。
私が販売研修の代休日のため自宅にいて迅速に初動が取れた事。
産婦人科の先生の迅速な判断。
搬送先の病院のベットが空いていた幸運。
搬送先の先生の手術の決断。
この動きが数時間でも遅れていたら、もっと違った結果だったそうです。
全てのタイミングが良かった。
最悪の状況の中、最善の結果となったと思い、今はとにかく、喜びと感謝の思いでいっぱいです。
ほんとうにありがとうございます。。
そして、何より息子がお腹の中で頑張ってくれたお蔭で、お母さんが助かった。
「お母さん、危ないよ!」と一生懸命におなかに圧力をかけてくれたおかげで、
医師は胎盤剥離である事を確信したのですから。
さっそく、最高の親孝行をしてくれました。
お母さんを助けてくれて、ありがとう!


◆新生児の状況
24週で生まれた息子を、出産当日に会う事ができました。
手のひら二つ分ほどの小さな赤ちゃん。
口からは管を通され、両手には点滴。
まだ肺すら形成されていなく、自分で呼吸が出来ない。
口を動かす力がないため、お腹から直接チューブで栄養補給。
まだ外の世界で自力で生きて行く準備が出来ていない赤ちゃん。
それが、日本の医療技術によって生かしてくれている。
ためしに、足に触れてみると、しっかりと蹴り返してくれる!
……だけど、確かに生きている。
いろんな方々の力によって、生かされている。
そのありがたみに、再度涙してしまいました。
自分の子供である愛おしさと、
「お母さんのお腹の中で赤ちゃんはこんな風に育ってるんだ~」
とめったに見る事が出来ない生命の貴重な機会を楽しんでいる
ある種の知的好奇心が入り混じった不思議な感覚です。
胎動がどうやって起きているか、初めて生で見た! 本当に赤ちゃんは足を延ばして、お母さんのお腹を押しているんやねぇ~

      • -

24週4日で産まれてきた超未熟児。26週以下というのは、
超未熟児の中でもかなり早期との事で様々なリスクは高いとの事。
ここからが長い戦いのはじまりです。超えるべき壁はこれからたくさんあります。
肺や呼吸器は正常に成長するか、脳に後遺症はないか、
未熟児網膜症を回避できるか、その他外界の細菌に対する抗体が作れるか
仮にすべてうまくいっても、普通の子供とどこまで同じ様に生活できるのか、、、
どんな障害がでてくるか、、、、
考えれば考えるほど不安のタネは尽きない。
だけど、ただ不安がってるだけでは仕方がない。
とにかくまずは色々と勉強して、正確な知識をきちんと身に着ける。
そして、何かつまづく事があれば、その時は、一生懸命考え、最善を尽くした上で、
最後にはそのすべてを愛し、受け入れたい。
その状況の中での一番の幸せを探し、感じていれば、それでよい。



◆子供の名前
私たち両親の実直な想いを心いっぱい込めて、
【朋克(ともかつ)】
という名前を付けました。

 「出生のハンデやこれから訪れる数々の困難をも『克服』する強い意識を
 持った子に育って欲しい。
  そしていつか、ともに助け合い、ともに成長していける
  たくさんの友人『朋(とも)』に恵まれて欲しい
  家族・友(朋)と支え合いながら、
これから起こるどんな困難をも克服していけますように。。。」

立派でなくてもよい、偉くならなくてもよい、ただただ健康に元気に育ってほしい!
それが一番の願いです。
生まれてきてくれて、
本当に本当に、ありがとう。
父も頑張る!
みんなで力を合わせて、前向きに、頑張って乗り越えていこう!ね!



[原文]
https://www.facebook.com/motoki.hirose.5/posts/pfbid031XCngTmQEhWhPjgXwbRUNCRgeZ3C375GRh7yccDCA7MY5viLXPU4EiQko5kyTD5rl

Maker Faire Kyoto 2024出展情報 (おぎモトキ) ブース紹介


出展情報

2024/4/23(土)~24(日)に京都・けいはんな にて開催される
メーカーイベント Maker Faire Kyoto 2024 に個人として出展予定です。


makezine.jp

私は、『家族&誰かのためのモノづくり』というテーマで、
障害を持った息子や家族のために作った自作リハビリ機器・改造おもちゃ、
そして友人ら&障害当事者の方々と一緒に開発してきたアシスティブテクノロジー機器を出展予定です!

自己紹介はこちら
ogimotokin.hatenablog.com


以下が公式サイトでの私のブース説明になります。
makezine.jp


なお、今回もにコンセプト通り
「家族全員(妻&子供達)での展示会参加」
を行っています。まさに家族全員がチームとして展示会を楽しみます!
娘も昨年のMaker Faire での出展を経て、とても楽しみにしていたので、まさに出展が家族イベントになっています!
原点である息子氏の実際の様子(開発物をどの様に使っているか)なども見る事ができるかと思います。

今回の #MFKyoto2024 では、「アシスティブテクノロジー(AT)」カテゴリとして、
以下の新作7作品を含む16作品を出展予定です。

★ 4月で怒涛の新作をラッシュ製作してみたので、今回は特に実験的な要素もかねて、まだ使い込む前のプロトタイプ状態のモノを持ち込みたいと思います。
是非とも体験してもらってフィードバックを貰えたらとても嬉しいです!


弊ブースの特徴は、ずっと変わらず
「障害を持った方など必要とする人のニーズ目線で日常的に使える事を目指した個人モノづくり活動」

Maker Faire用に準備してきたという訳ではなく、
子供や家族、友人らが喜ぶから、成長に必要だから、困りごとをなんとかしたいから、作り続けてきたモノ達をこの機会に展示するスタイルをとっています。


すべての作品は触るのOK、体験して遊んでみて欲しい、という想いで出展しています。

たくさん体験して、子供達にとってお気に入りのものや、新しい可能性が見つかれば嬉しいです!

① 初出展・新作一覧

①-1: 魔法のバリフリガチャv2 & 無線ダイヤルコントローラ

手が不自由で普通のガチャが回せない息子や子供達にも自分でガチャを回すワクワク感を味わって欲しい!想いで製作

詳細は以下のまとめページをご覧ください!


①-2: 親子コラボ「まったり小鳥さん」缶バッチ & 魔法のバリフリガチャ

イラストレータを目指す娘に「自分の描いたモノを誰かに手に取って貰える体験」を作れないだろうか、とガチャのコンテンツに娘イラストグッツを展開

そんなコラボ第3弾の「まったり小鳥さん」缶バッチを、Maker Faire Kyoto2024で限定販売!(1個200円予定)

我が家の家族チームでの開発活動の象徴ともいえると思っております!
是非とも、ブースにて体験&購入頂ければ嬉しいです!
(娘や息子もブースにてお出迎え予定!ぜひとも本人から買ってあげてください!)



①-3: あいさつ&じゃんけんロボハンド 『とものて』 タッチ&フリックコントローラ

小学校へ入学した息子がクラスの子供達と打ち解けるコミュニケーションのきっかけを作りたい想いで製作、約4年間 日常生活で活用してきた
あいさつ&じゃんけんロボハンド 『とものて』

「とものて」は、今年2月に放送された「バンキシャ」で出演した際にも、ピックアップして取材くださりました。

www.youtube.com


息子も5年生になり、より多くの意思表現の手段を広げたいと考えて、コントローラを新しく製作しました。

詳細は以下のまとめページをご覧ください!



①-4: 【とものて×EyeMoT】視線でじゃんけん&ハンドあいさつ

指が動かない子供達も一緒にじゃんけんや、あいさつができる様にしたい!

業界有名な視線入力訓練ソフト「EyeMoT」とコラボ!
「とものて」を「EyeMoTボックスアプリ」から直接操作でき、
簡単に視線操作を使ったじゃんけんやハンドジェスチャーを試す事ができます!

[重度障害児支援システム EyeMoT シリーズ]


ブース内に視線入力装置も設置予定なので、ぜひ「見るだけで」演奏できる体験、感じてみてください!



①-5: 自宅内移動モビリティロボさん

歩けない息子に自分の意思で移動するための手段の研究の一環として、家の中で乗れるモビリティを作ってみました!

①-6: バランスWiiボードでリハビリロボ操作

息子の立位リハビリを楽しくするための工夫として、押し入れに眠っていたバランスWiiボードをハックして、物理ロボットと組み合わた体験を作ってみました





①-7: 「太鼓の達人」コントローラで連打ロボ操作

モビリティやロボット操作を楽しく操作するためのオモチャコントローラとして、娘が好きだった「太鼓の達人」タイコでモビリティを操作できる様にしてみました





② 機能アップデート

②-1: 楽器&ライフアシスト「アームワンダ」

息子を始め、肢体不自由な子供達にリアル楽器演奏を楽しんで欲しい!
「おぎモトキ」×「オリィの自由研究部(β)」で取り組んできたハンドベル等のリアル楽器を演奏するために製作した装置。

詳細は以下のまとめページをご覧ください!

また、今年3月に
総務省 異能vation「ジェネレーションアワード」
・UPDATE EARTH コンペティション「NIPPON INNOVATION AWARD」
の2つにアームワンダがノミネートされました!

依頼製作台数も1年経たずに、通算100台を突破!!
障害当事者・支援者から強いニーズを感じる作品です。


MFTブース内には、いくつかのアームワンダのバリエーションや固定治具なども展示予定。
「スイッチを押したら動く」このシンプル機能を、支援現場で使いやすくするための工夫の数々をぜひ見て行ってください!


②-2: 【アームワンダ×インスタコード】スイッチ一つでギター演奏体験

知的障害のある子供達にも、ギター演奏体験をできる様にしたい!
電子楽器業界で人気&勢いのあるインスタコードを使って、
指先操作だけでギターを鳴らせる仕組みを作ってみました





②-3: スイッチで選ぶ「かおす魔改造どうぶつさん」

[目的] 息子向け
・知的にも遅れのある息子の好奇心をこじ開け、自分の意志で「選ぶ」行為を楽しく経験できる様したい


[製作物]
「ふつう」「ぼうそう」「かおす」の3モードをスイッチで選択すると、激しい動きになる(笑)
簡単な技術で、子供や大人を、笑顔にしてくれる魔法のくまさん
スイッチに応じて、使う電池の本数を電子回路で切り替えるというシンプル製作。
今年1月に、ついにキット化しました。


毎年 どの作品にも負けないくらい絶大な人気だった「暴走どうぶつシリーズ」。
最近では、「魔改造×動物ぬいぐるみ」は某番組やいろんな個所で注目を浴びておりますが、
私の製作した暴走シリーズは
「非エンジニアでも簡単に使える&楽しめる簡単魔改造が特徴です

実際に、非エンジニアである療法士の先生に作り方を教えたら、簡単に量産されていました。

イベント限定やバズり目的でなく、
療育現場や日常で使えるモノを目指した実用魔改造


②-4: パリピ改造くるくるチャイム

ボール転がしが大好きな息子の好奇心を広げたい、息子の指先を使うリハビリ練習を自主的に行う様に仕掛けたい目的で製作した
パリピ改造くるくるチャイム」

最近、息子がマリオワンダ―が好きになっているので、そのBGMに入れ替えてみたらめちゃハマってくれました!

くるくるチャイム内部に、測距センサーを埋め込み、ボール位置を検知させ、ボール位置に合わせて、LEDテープ& 効果音を鳴らすという追加改造
4年以上たった今も、気に入ってよく遊んでくれてます!



詳細な製作方法は以下を参照ください。

ogimotokin.hatenablog.com


②-5: M5「電車でGo」コントローラ

バーチャル車窓付き「M5電車コントローラ」で、モビリティを操作できるかも!?

今回持ち込む、屋内移動モビリティロボをこのコントローラで操作できる様にしたので、是非遊んでみてください!

詳細は以下のまとめページをご覧ください!
protopedia.net

②-6 : ボール転がしで鳴らす8音ベル演奏装置

[目的] 息子 & 友達向け
・息子の療育園最後のクリスマス会で、肢体不自由の同級生8人で何か演奏体験をできる様にしたかった
・手を動かすのが苦手な子供も、自分の意志で演奏する機会を作りたい

[製作物]
・8個のハンドベルを8個のスイッチで鳴らします(ハンドベルを持てなくても指先一つで演奏可能)
・8個のスイッチが全部押されると自動演奏が始まる点灯式モードも用意。


★間に合えば、新しいハンドベル操作方法の実験を、イベント当日に実施するかも!?


③ その他既存製作品展示

③-1: ポータブルM5エレベータパネル ver.3

入院中のお子さんのために製作した病室内で遊べるポータブルエレベータパネル。
「エレベータ好きの我が子にプレゼントしたい」との相談を頂き、更に追加機能を加えてカスタマイズして提供しました!

2021年M5Stackコンテスト受賞作

③-2: 娘のイラスト具現化ネコちゃん電動貯金箱

①-1の「魔法のバリフリガチャ」のお金集金用に活用!可愛い鳴き声に注目!

重度身障児の息子が地域小学校で4年過ごしたら、息子やクラスメイトに面白い変化が起きた話 (インクンクルーシブ体験)

先日にバンキシャにて我が家の密着ドキュメンタリを放送頂きました

ogimotokin.hatenablog.com

ショート動画が公開わずか6日で150万回再生を超える視聴回数を頂く程に広がっています。
(2024/3/4追記 公開11日目では280万回再生超え、バンキシャShort動画として歴代1位という大盛況っぷり!?)
また大変多くのポジティブコメントを頂き、家族一同大変嬉しく感じております。

youtu.be


ただ、同時に、ネガティブコメントも増えてきました。
基本的に、ネガティブコメントについて特に気にしない我が家なのですが、
そのネガコメの話題で目立ったのが、
「なぜ普通学校に通っているのか? 特別支援学校ではないのか?」
という内容でした。


この就学問題については、
私達もたくさん考えて、悩んできました。

今回は長文になりますが、そのたくさんの想いをブログに記させて頂きます。


まず大前提として、
義務教育課程で、
その子がどこで教育を受けるかの権利は本人 及び 家族

にあります。

その権利を踏まえて、
「地域の小学校」「特別支援学校」
息子にとって何が良い選択なのだろうか?

これはほんとーーーーーーにめちゃめちゃ悩みました。

たくさん考えて、
たくさん悩んで、
最終的に私達が選んだ
「地域小学校に就学する」という選択肢。


それによって、
息子にとって得られた経験、
周りのクラスメイトの子供達の変化や気づき、


ここからの話は、
あくまで私達の家族としての事例です。
「教育は、特別支援は、こうあるべきだ」などの主張をするつもりはありませんし、
考えを周りに押し付けるつもりも毛頭ありません。

とある障害を抱えた子供を持つ一家庭の実話として捉えて貰えたら良いかと思います。

①進学を決めたきっかけ

息子は、いわゆる重度身障児です。
就学する時点では、歩けない、喋れない、知的遅れも目立ってきていました状態でした。

特別支援学校、地域小学校

それぞれのメリット/デメリット、
息子自身に学校生活で何を得て欲しいのかを考えた結果、
私達は「地域小学校」を選びました。

決め手になったのは、
『出会える同年代の友達の数が多い事』

あくまで個人的見解ですが、小学校時代は、勉強自体を行うよりも、
同年代の友達との関わり方・集団の中で生まれるバラエティ溢れた経験数
こそ、将来の選択肢を広げる事に繋がるのだと考えたのです。

ちょうど新型コロナに対面してオンライン交流に盛んになった時代が到来しました。
これによって、学校以外の場でも、例えばオンラインやSNS交流を通した新しい人との出会いや経験を重ねる手段も増えました。
しかし、息子の場合、オンラインに対する認知面が追い付いていないため、
とにかくリアルの人同士の交流経験を大事にしたかったのです。

学習面については、支援学校の方がその子の特性に合わせたきめ細かなサポートが期待できるかもしれません。
普通クラスだったら、すぐに授業スピードに追いつけなくなって、寂しい想いをするのではないだろうか?

ただ、中学校・高校と年齢が上がると、どんどん専門的な学習になり、
同じ様な学習レベルや同じ興味を持った友人コミュニティ(似た人達)で固まっていくかと思います。

私が幼い頃を振り返っても、小学校時代が一番いろんな人がいたなぁ、と感じています。
その子にあった専門的な学びはいつでもできる。

それより、小学校こそいろんな子供達と入り混じる経験の中に身を置いて、同年代との集団生活で過ごす経験を大事にしてほしい

それが、息子の将来の成長を見据えて、私達が悩みながら出した答えでした。



②小学校に通う際、心がけ続けた事

息子の通う地域学校は、重度の子供を受け入れた経験が過去になかったのです。

初めて見学の電話入れた時の気持ち。
暗に断られないかな……て不安だらけでした。

学校が微妙な感じだったらさすがにそれを押し切って6年通うのも気持ち的にしんどい。

そしたら。
めちゃくちゃウェルカムだったんです。
それはもう、拍子抜けなほどに

「ともくんも一緒に勉強して遊ぼう!!」

そう校長先生が言ってくれたんだ。
目を見ながらね。
当たり前のことが涙出るほど嬉しいんだ。


障害当事者の方からしたら
「受け入れるのは当たり前だ、当然の権利だ」
という意見もあるかもしれませんが、
現実問題として
当たり前前提で攻撃的な態度で接するのは必ずどこかで不和が生まれる

学校側には学校側の事情もあるのでそれを理解しながら、
お互いに今の自分達で出来る事を建設的に模索していく事こそ大事だと思います。

進学前に校長先生や支援学級の先生と何度も面談をして、
今の息子の状態、学校として出来そうな事など、たくさん話あった。
ありがたいなぁ、と思ったのは、
受入れ経験がない分、逆に私達の提案を積極的に取入れ、一生懸命に活かそうとしてくれた事。

なので、私からも積極的に、テクノロジーを使った支援方法について学校に提案&協力する形で進めていきました。


①息子自身で友達とコミュニケーションを取るためのロボットハンド「とものて」、入学当初から4年間ずっと使い続け、友達との交流に活用していった
 protopedia.net

②授業はiPadアプリを使い、ひらがな文字描き練習や、算数計算など、息子が興味を持ちそうなスタイルで継続してくれた

③自分の意思で動ける電動台車"ToMobility"を使って、運動会や学校登校など自分の力で出来る事を増やそうと取り組んで頂いた
protopedia.net


もちろん現場の教員の皆さんからの現実的な意見も踏まえつつ、
こちらの意見だけ押し通すことのないよう、
また周りの子供達に何か強要や我慢させてしまう事がないように心がけて、
双方にとっていい関係を築いていきながら、
一緒にできる事を考えながら4年間過ごしてきました。

2歳上のお姉ちゃんも、
「ともくんと一緒の学校に行けて嬉しい」
と喜んでくれていたし、
休み時間には姉ちゃんの友達と一緒に弟のクラスに遊びにいったりもしていた様です。


③ 息子の変化 ~同年代との関わりで生まれた成長~ 

地域学校に進学してから4年。
息子は、「特別支援級」「普通学級」を行き来して過ごすスタイルで、学校生活を過ごしています。

当初は違和感のあったロボハンド付車椅子で登校も、もはや日常の光景になっていきました。

友達に日常的にもみくちゃにされていく中で、
息子自身も周りの同年代の子供達の様子を観察する様になり、
状況への認識力も高まっていった様に見えます。

教室に入れば、友達が自然に集まってくる事もあり、
「あいさつしようよ!」
と友達が声掛けして、アイサツが始まるのです。

いつも間にか、それに対して 自然に「バイバイ」が返せる様になりましたし、
ちゃんとお礼が必要なシーンではみずから「ありがとう!」ボタンを押す様になりました。

youtu.be

気分が乗った日には、クラスの友達に対して「おはようございます!」とアイサツして回ったそうです!
友達に対して自分から主体的に何かアクションできる様になる!
これが出来る事になったのは、本当に嬉しい!

子供達の世界の中で、子供は学び、成長する

www.youtube.com


④ 周りの子供達のインクルーシブ経験による変化

普通学校の中で、重度障害を持ったクラスメイトと共に過ごすインクルーシブ経験。
これは決して、障害を持った子供だけのためでなく、クラスの子にとっても良い影響があった、と感じています。
(私達の主観も含めつつ、学校の担任の先生から客観的に聞いた話になります)

[影響①] 「困っている子」に自然に寄り添い、考える友達が出来た

クラスの中にやんちゃな子がいるらしいのですが、
とある際に息子がパニックを起こして叫びだした際に、
「どうしたん?」
って気にかけたそうです。
その後も何度か気に掛ける様になりつつ、いつの間にか自然に寄ってくる様になり、
「今日はなんで泣いてるん?」
「あ、分かった!本が読みたいんやろ」
と少しずつお世話を自主的にする様になったとの事。
そこで周り(補助の先生)から褒められて、それが自分の役割になったのが嬉しかったのか
「ともくんには、こうするとええんやで!」
って、自分から積極的に世話を焼く様になって、やんちゃ頻度が減ったとの事です。

一緒に過ごしているからこそ、
こんな子もいるんだと気づき、
そこから
自主的に「何かをしてあげよう」って気持ちが自然に生まれていく事もある


[影響②] 「できない」事を工夫するアイデア・経験を身近で学べる

普段、息子はロボハンドやiPad、電動台車などの支援ツールを使っています。
これがクラスの子供達にとにかく人気なんです!
あいさつするロボハンドを使って突然じゃんけん大会が始まったり、
電動台車を見るたびに「カッコいい!戦艦やん!」みたいに集まってきたり
とにかく話題が尽きない!
「例えば、指でボールを発射する装置があれば、とも君も一緒に遊べるね」
そんな友達のアイデアから生まれたのが、
スイッチで遊べるボール投球マシン
これを試しに使ってみたら、息子のノリはイマイチでしたが(笑)
「これ、めちゃ楽しいやん!!」
って、普通にボールを投げれるクラスメイト達の方がめちゃめちゃ盛り上がって、何度も何度も交代で遊び始めたw

ボールを投げれない息子がいなければ、電動装置でボールを投げる体験に出会えなかったし、
そこで生まれる新しい遊び方にも気づけなかったのだろう

「こんな工夫ができたら解決できるんだ」

その体験は、例えば、その子が将来、
何か「できない」事にぶつかったとしても、
いろんな手段で工夫すれば「できる」事を知っていれば諦めなくて済む

そんな原体験に繋がるかもしれません


[影響③] 支援機器を使うからこそのOnly Oneのワクワク体験を得られる

息子が大きな手術で、数か月の間、入院で小学校を離れる事がありました。
しかし、せっかく周りのクラスメイトと交流していた繋がりを、少しでも継続したい、と想い、
分身ロボットOriHimeを使って、入院中の遠隔通学を実施させて貰ったのです。


youtu.be


「クラスメイトがロボットになった!」と興奮するクラスメイト。
帰ってご家族に自慢したりと、周りもすごく喜んでいたそうです。

障害を持った子達は必要だからこそ使っている支援装置、
これを使って出来る新しい体験は、
クラスに障害を持った子がいるからこそ出来るOnly体験

クラスの子達にとっても、新しい気付きとワクワク体験に繋がるのではと思います。



自分達の小学校時代を思い返して……

そもそも、なぜ障害があるのを理由に学校が分けられているのだろうか。

地域の公立小学校を出た私にとって、障害者ってとても遠い存在だった。
当時としてはとても珍しく、医療ケアのいる子が、集団登校の班にいた。
必ずお母さんがそばについていた。
決して差別する気持ちもないが、なんとなくじっと見ちゃいけないんじゃないかとか、
どう接していいのか全く分からなかった。

話すとしてもお母さんとお話する程度。

障害の体験とかで、目をつむって校内を歩く、とかした記憶がある。

感想文を書かされ
「目が見えないのはとても怖く感じた。困っている人がいたら助けようと思いました」
とかありきたりな文章を書いた記憶も薄々ある。



もちろんその当事者の気持ちを体験するのとは大切だとは思うけど、
もっともっと大事なのはそこから先の行動では??


実際どう声をかけるの??
どう助けるの??
どういう行動が喜ばれるの??

そんなの日常的に接しないと全く分からないこと。

毎日見ていたら、
この部分が困っている、手助けがいる、
分かってくる。
そして優しい人ならば【自然に】手が出てくる。

困っている人を助ける、誰かのために行動する、

そんな思いやりの心を小さい頃から備えていくのはとても大事なのではないだろうか。

勉強は正直何歳からでも学べると思う。
人間的に大事な部分を育てていくのは幼稚園保育園、小学校だと私は思っている。

大人になり、病気や事故で不自由になった時、
思いやりの心を持った人が少なければ、
誰かのために、動ける人が少なければ、
回り回って自分が困ることにならない?

支援学校と地域学校で、交流とかはあるかもしれないけど、
その僅かな時間の交流だけでは、逆に【違い】だけが強調されてしまい、
自然な関係は築けないと思う。

たとえ、喋れない、歩けない、お勉強も一緒のことは出来なくても、
息子がその同じ空間に【日常的に】いることは、
同年代の子供たちにとってとても大事なのだと思いたい。











⑤ おわりに

普通学校に進学する事に関して、また息子の様子に関する事について、
多くの暖かいコメント・リアクションを頂きつつも、
ごく一部にいただいた声についても冷静に拝見させて頂きました。

その中でも、
「障がいを持った方が身近にいない」
「自分の実体験として知らない」起因の誤解や偏見のものも多いな

と個人的に感じました。

『思った事を正直に書くと、障害があり、この子のように泣いていたり、よくわからない行動をしている子の心の中や、頭の中がわかりません。
ただ、泣きながらスロープを登り切った後、「ありがとう」のボタンを押したとき、行動と考えが合っていない事に驚かされました。
障害者を理解する機会は、学校生活の中で稀にあるかなというくらいです。しかもその時期を超え、社会人になるとほぼありません。もう少し理解を深める機会が大人になる過程であればいいのになと思いました。』

頂いたコメントで、私はこの感想がしっくりきました。



私達も、もしかしたら
息子が障害に直面しなかったら、
きっと知らなかったのかもしれない。

もし、自分の小学校時代に
障害のある子が近くにいたら、
しゃべれない/表現が苦手なだけで内にいろんな感情を秘めている事を知ってたら、
そしてツールを使いいろんな工夫をして解決できる事を知ってたら、

今もっとできる事があったかもしれない

今、健康である人も、
いつ体が動かなくなって「障害」に直面するか
分からない

その時に、
「知って」さえいれば、
その時の不安感、絶望感も解消できるし、
「なんとかなるかもしれない」と前向きになれる

その点でも、
障害を持った方をまず「知る事」、そして「日常的に過ごした経験」は、きっと長い人生において意味を持つと強く信じます。


その意味でも、今回のバンキシャ放送(テレビ放送やYouTube)等を通して、
「障害によって自己表現が苦手な子供がいる事、
 テクノロジーを使い工夫すればその子の意思を周りに伝えられる事、
 それを通して子供達の世界で楽しく生活していける事を
 知って貰えた事」

に大きな意味を感じて、
もしかしたら誰かの人生に良い影響を与える事ができたのかもしれないな、
と大変嬉しく思っています。

                      • -

いろいろと書いてきましたが、これはあくまで我が家の事例です。

冒頭でも書いた通り、我が家は
息子の状態や、学校生活の中で得て欲しいモノ等を踏まえて考えた結果、ひとまずは地域小学校を選択しました。

今後の息子の状態や学校生活でのフィードバックを踏まえて、どうするかはこれからも継続して考えていく必要があります。

大事なのは、
【障害に関わらず、それぞれに選択肢があって、
 それを自分の意思で選べる事】

なんだと思います。

学校生活に限らない話になりますが、
障害と共に生きる子供達にとって、
その子にあった選択肢がどんどんと広がっていく事を強く強く願うばかりです!

2024/2/14「ユニバーサル次官PJ勉強会」で個人モノづくり活動を講演 (霞が関 財務省会議室)


2024年2月14日、東京・霞が関 財務省内にて、
(社福)プロップ・ステーション理事長 竹中ナミ(ナミねぇ)様の主催する
「ユニバーサル社会を創造する事務次官プロジェクト勉強会」
(通称:「ユニバーサル次官PJ勉強会」)

において、各省庁の事務次官 及び 関連各所の皆さまに向けて、
私の「個人モノづくり活動(※ここ重要)に関する講演をさせて頂くという身に余る程の大変光栄な機会を頂きました!


企業所属の肩書きではなく、普通家庭のちょっぴり変わった一人の父親がそんな大舞台で講師講演させて頂くだなんて!?
お話を頂いた際にはとても驚きつつも、1人の当事者家族「父親エンジニア」として伝えたい事を全力でお話しさせて頂きました!
(いやぁ、めちゃめちゃ緊張しました、ほんとに…)


本講演会の3日前に「バンキシャ!」放送が流れたという奇跡のタイミング。
この最高の追い風の中で迎えた当日。
冒頭での事務次官の皆様との名刺交換の際に、
バンキシャ見ましたよ、まさかあの人が来るだなんて驚きました」
という嬉しいお言葉を頂きました!


ナミねぇさんのパワフルかつ暖かいファシリテーションのおかげで
和やかな雰囲気でスタート、約45分ほどお話しさせて頂きました。

今回は、国の政策づくりに携われる皆様へ、何か一人の障害児を抱える父親として伝えたいと思い、以下の事例内容について紹介させて頂きました。

①当事者の具体的な困りごとから発明アイデアが生まれる
 ・楽器&ライフアシスト「アームワンダ」
②一人の「できない」は、「みんな」の価値になる
 ・遠隔×リアルスポーツ「オンラインボッチャ」
 ・あいさつじゃんけんロボハンド「とものて」
③自分の意志で動ける事が、成長と生きがいを作る  
 ・子供成長支援モビリティ「ToMobility」
 ・分身ロボ×屋外移動モビリティのコラボ取組み



更に今回は特に、政策づくりに携わる皆様に少しでも参考になればと思い、以下の部分を特に強調して伝えさせて頂きました。

■就学先に対する柔軟な選択肢がある事の必要性
就学時に抱える課題である「普通学校」「特別支援学校」どちらを選ぶか?
これに対しての私達の歩んできた「普通学校」という選択と、そこで感じた子供の成長、周りの子供達の変化について紹介しました。
同時に、子供によって状況や望む成長の姿は異なるため、大事なのはその子に合わせた「柔軟な選択肢」を選べる事の必要性を課題提起させて頂きました。

■肢体不自由児が幼い頃から「自分の意思で動く」体験を重ねる必要性
ToMobilityの取組を通して、歩けない子供が早期に移動体験を得る事による知的成長・周囲とのコミュニケーションの変化などを強く紹介しました。
また、小児電動車椅子の購入補助金課題(操作未成熟な子だと補助金が下りない問題)についても課題提起させて頂きました

■移動技術の進化が、外出困難な方の未来の可能性を更に広げる
屋外移動技術の進化によって生きがいに繋がっていきそうな実例を友人らとのコミュニティ活動(オリィ部)事例を紹介しました。
遠隔ロボや移動ロボ等を通してもっと新しい多様な働き方ができる環境作りの後押しを提案させて頂きました。


これらは、あくまで我が家の取組みから得られた一事例にすぎませんが、
1人の障害児を持つ父親として、
1人のロボットやアシスティブテクノロジーに魅せられたエンジニアとして、
素直な想いを伝えさせて頂きました。

ご出席いただいた皆様とは本講演を踏まえた質問・意見交換も多くさせて頂き、
多くの励ましのお言葉を頂きました!
本当にありがとうございました!


本会終了後は、分身ロボットカフェDAWNでランチ打ち上げ会。
いつも仲良くしている同志オリィさん、ナミねぇさん、
月刊ニューメディア編集局長・吉井さんとご一緒にDAWNで楽しい一時を過ごさせて頂きました!

2/11(日) 「真相報道バンキシャ」出演 【息子に贈る発明品、試行錯誤の日々 障がいある息子と…ある家族の物語】

www.youtube.com

障害と共に生きる息子や家族とともに取り組み続けてきた
個人製作活動「家族のためのモノづくり」

様々なご縁が繋がって、
1年前から密着取材を受けてきましたが、

今日2/11(日) 18:00~放送予定
日本テレビ真相報道バンキシャ」の
放送回の特集ドキュメンタリとして
廣瀬(ヒロセ)家の取組の様子が取材動画が放送されました!

www.ntv.co.jp

早速YouTubeアーカイブが上がっておりますので、是非ご覧頂ければ嬉しいです!
(他にもYahoo!ニュースや日テレ公式facebookにも掲載頂き、改めて反響の高さを感じています!)

・Yahooニュース
news.yahoo.co.jp

・日テレ公式facebook
www.facebook.com


twitter.com

普段の我が家での生活の様子、
これまでの開発品の数々、
そして息子が小学校で発明品を活用している様子が放送されました!


障害福祉はこうあるべき、とか、インクルーシブとは、とか、そんな事を言うつもりは全くありません。

ただ単に、歩けない、しゃべれない息子がいて、
ずっと近くで見て育ってきたしっかりものの娘がいて、
明るく前向きな母親がいて、
たまたまモノづくりが得意だった父親のいる

そんな家族がこれまで積み重ねてきた等身大のノンフィクションストーリーとして受け止めて貰えたら嬉しいです!




また、番組の最後では息子が電動移動モビリティ"ToMobility"を使って、自分の力で登校するチャレンジの様子を取材頂きました。

最後のスロープ走行はなかなか難しく、
息子は「傾斜スロープと点字ブロックで振動が増えた事の恐怖心」「うまく進みたいのに進めない葛藤」から大泣きをしていました。
しかし、コントローラを最後まで離さない事に、
最後までやりきる」
という意志が確かにそこにありました!
(息子は本当に嫌と感じた時、コントローラを地面に捨ててもう絶対にコントローラを触ろうとしない程、強い拒絶を示します)

息子を知らず初めて見た方は、嫌がっているのに強制的に頑張らされている様に見えたかもしれません。
しかし、一見分かりにくい状態の中にある「動き続けようとする」ところにある彼の意志を尊重して、
そのまま手を貸さず継続しました。

そして、最後のあいさつじゃんけんロボハンドで
「ありがとう」
を押した事で、明確な息子のやりきったポジティブな気持ちの表現が周りに伝わったのです!
(息子はイヤな時は「×」ボタンを選んで押すか、そもそもコントローラを捨ててコミュニケーションを拒否するのです。なので押し間違えでもなく、ちゃんとした意志がそこに見えたのです)

また、普段はいつも「いってきます!」ボタンを押していたのに、この日に限っては「ありがとう!」を押していたのです。
取材カメラがあったり、いつもより多くの声援があった事に、いつもと違う雰囲気を感じとって最後まで頑張ったのだと思います。
(「ありがとう」を押すと周りが喜んでくれる事を経験上分かっていたからこその、息子のサービス精神だったのかもしれません)

息子はしゃべれないため表現するのが苦手なだけで、
そこにたくさんの本人の意思がある。

その分かりにくい意思は、毎日見ている両親家族しかわからない。

しかし、その意志を分かりやすく周りに表現するためのツールが、
あいさつハンドであり、電動移動機器である。


息子がいたからこそ気づいた大事な事

この10年の息子の成長に加えて、
息子から私達親の方も新しく学ばせて貰っている事を感じて、
改めて我が子を誇らしく感じました!







取材以降も、息子が「今日は自力で登校したい」気分の時は、電動モビリティを使って登校する事を繰り返しています!

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また、息子だけではなく、娘に向けても同じく彼女の「やりたい」をサポートするためのモノづくりも進めています!

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・日テレ公式YouTubeショート動画まとめ
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【参考】開発品の紹介
■活動紹介【ポートフォリオ)
ogimotokin.hatenablog.com


■登場した発明品
・息子の手で操作できるビールサーバ

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・屋内で動ける簡易モビリティ

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・あいさつじゃんけんハンド「とものて」
protopedia.net

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・歩行リハビリエンタメシステム Melody Shoes
protopedia.net

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・子供成長支援モビリティ「ToMobility」
protopedia.net

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2/11(日) 東海特別支援教育支援カンファレンス@岐阜 講演&機器展示

2月11日(日)に岐阜市で開催される
「東海特別支援教育支援カンファレンス」
に現地登壇します!


2/11(日) 岐阜市じゅうろくプラザ (JR岐阜駅隣接)
9:50~17:00 (私は機器展示12:30から参加予定)


講演登壇(16:00~17:00) 及び アームワンダ&とものて等、
障害を持った子供達のために作った自作開発品を展示予定

本職エンジニアにも関わらず、特別支援教育関連で講演のお声がけ頂き、お話させて頂けるのは初めての機会

当事者家族×エンジニアとして、息子や障害を持った子供達のためのモノづくり活動を通して 子供達の成長に繋がってきた多くの実例を踏まえて
お伝えできたら嬉しいです!

[東海特別支援教育カンファレンス facebook紹介ページ]
www.facebook.com


[申し込みページ]
https://tokaiconfe2024.peatix.com/


岐阜駅直結の好立地、
近隣県の方など、是非とも足を運んでくだされば嬉しいです!

1/21(日) キッズツールデイ/障害支援者向けワークショップ@神戸・三宮

NPO法人ぷれいふるさん主催の障害当事者&支援者向けワークショップに、講師として登壇させて頂きました

1/21(日) キッズ・ツールディ 
場所 : KITTO300 (神戸・三宮)
https://kiito.jp/kiito300/


障害当事者が使えるモノの製作体験
対象が
①障害を持ったお子さんの兄弟姉妹など小学生向け
②子供向け療育支援等に携わる大人向け

という話を頂いたので、2つを回を分ける形を取りました。

気がつけば、
【ワークショップ2回+講演1回+機器展示】
というかつて経験した事のないフルコースの機会を頂きました。(準備量が半端なかったけど、全力で頑張った!)


当日は、息子は体調芳しくなかったので自宅待機。
アシスタントとして娘に現地に来てもらいました。
テキパキと展示サポートをこなしてくれて心強い存在!


■①第一部 : 小学生向けものづくり教室
「肢体不自由時向けアシスティブテクノロジー」をテーマに
・簡単な片手押しスイッチ
・簡易BDアダプタ
を作ってもらい、我が家で開発してきた開発品を自分のスイッチを繋げて遊んでもらうテーマで実施しました。


最後には、魔法のバリフリガチャを自分で制作したスイッチで押して回して、娘缶バッチをプレゼントするお土産付き
まずは、作る楽しさ、そして使う楽しさを感じてもらうワークショップパッケージです!



■②大人向けモノづくりワークショップ
今回初めての試み!
私の展示会でもいつも大人気!
「スイッチで選ぶ!かおす暴走動物さん」
こちらをワークショップで製作体験してもらう事を取り組みました。

1時間程度で最大10人を完成まで導くためにも、製作方法のシンプル化が必須という事で、改めて作り方を見直してみました!
大変だったスイッチBOXの筐体加工は3Dプリンタパーツにして手放し量産できる形に、
一部ぬいぐるみ側に改造必要だった箇所はダミー乾電池式にする等、色々工夫した結果、
電動ぬいぐるみ側は一切改造せずに、差し込むだけで暴走させる事ができる「暴走ダミープラグキット」が出来上がりました(笑)

ワークショップ当日、果たして最後まで作り切れるかドキドキしてましたが、
参加頂いた方全員が無事に動物さんを暴走させる事に成功したので、ほっと一安心!
(なんとか良い難易度に設定出来て良かった)

はんだ付が必要なところがある等、キットとしてはまだ改良の余地があるけど、実質約1時間程度で非エンジニアでも作れる
「かんたん暴走化キット」
として展開できそうな気がしてきました!

この暴走化キット、
ただネタとして暴走させているわけではなく...
当時まだおもちゃへの好奇心が薄かった息子の好奇心を引き出すためにという目的の元で作った暴走ぬいぐるみ。
これもれっきとした「アシスティブテクノロジー(福祉支援機器)」なのです!
ミニ講演を含める事でそんな背景もインプットしつつ、ただ素直に楽しめるモノを作れるワークショップパッケージが1つ出来ました〜



※注意
本キットですが、使い方を誤るとオモチャを壊してしまいます。(特にマイコン搭載のおもちゃはほぼ確実に破壊しています)
イワヤさんの電動動物さんシリーズは、私の手元で慎重に耐久性・信頼性試験を実施して安全性を確認した上で自己責任で使用していますが、
ちゃんとした使用上の注意を理解して頂く必要があるので、本キットは直接のワークショップ限定での提供&情報公開とさせて頂きます。