OGIMOノート~家族のためのモノづくり~

OGIMOテックノート ~家族のためのモノづくり~

重度障害の息子を持つ父親エンジニアの備忘録。自作の電子工作おもちゃ/リハビリ器具/ロボット関係の製作記録、思った事を残していきます

「家族のため」から、「必要としてくれる誰か」のためのモノづくりへ [OGIMOテック開発室]

ブログとしてはご無沙汰しております!
日々の活動などについては、本ブログに連動している X(旧Twitter)で発信しておりますので、是非そちらをご覧頂ければ嬉しいです!


今後、イベント出展の機会も増えるので、少し整理した情報をブログでも整理して公開しようと思っています。

今回は、新しく活動を始めた
『必要としてくれる誰か(当事者/家族/支援者)向けの開発活動(OGIMOテック開発室)』について、少しその想いを書きたいと思います。

現在、私は個人活動としてのモノづくりは3つの軸で活動しています。
① 障害を持った息子や家族のためのモノづくり
② コミュニティ活動
③ 障害当事者/家族・支援者のための開発

ogimotokin.hatenablog.com

これは、①や②で、家族や友人向けに開発した一品モノの研究開発品を、
同じ様な困りごとを抱えた当事者・ご家族・支援者に向けて、カスタマイズ製作&提供する活動です。

現在、この取組みのための屋号として
『OGIMOテック開発室』
として活動を進めています。

ロゴ製作 : Daichi Sugimoto


最近、積極的に始めた本依頼製作活動。

特に、最近 2023年8月に一般公開した『アームワンダ』というデバイス
障害を持った方に向けた楽器演奏&製作支援のための「押す」「ひっぱる」を簡単にできる発明品。
これが福祉関係者・当事者関係に大人気で、強いニーズを感じています。

protopedia.net

また、あいさつ&じゃんけんロボハンド『とものて』
こちらも、息子と同じ重度障害を持った子供達のコミュニケーションリアクション装置として人気となり、多くを製作量産してきました。





特にECサイト等への提供はせずに、FacebookやXなどのSNS公開のみ、購入などを希望される方はDM連絡で受け付ける形式をとっているのですが、
アップデート公開1ヶ月半経った今でも新しい問い合わせが来ている等、必要としてくれる方にとってはとても魅力的な発明品となっています。

必要としてくれる人の役に立てれば、という想いで、本業後のプライベートの時間を使って、少しずつハンドメイドで製作を進めてきました。
(既に2023年8~9月の2か月間で30台近くのハンドメイド製作してきました)

私が本業で所属している会社はいわゆる大企業、その中にいると
「そんなの自分で作らなくても、どこか事業部に提案して商品化・事業化したら?」
等と口をはさむ人達がいたりもします。

大企業内だと
「100人中1人のためになるモノよりも、1万人中100人のためになるモノに価値がある」
という価値観な事が多く、そのためにはプロセスを踏んでちゃんとした商品化/事業家が必要というニュアンスです。

しかし、その様な話を聞く度、
「真に必要とする人に届けるために、量産商品化や事業化は単に手段の一つでしかないのになぁ」
と感じてなりません。

そして、これは自分の主観なのですが、
ほんとうに必要なユーザは、
時間をかけて完璧なモノを2年後でなく、
来月の子供の運動会や発表会に使えるモノ

を必要としてる事が多いと思います。

当事者家族である自分が感じてきた事。

子供の成長を考えると、
2年なんて待ってられない

例えば、息子であれば、
小学校4年生の運動会は今この瞬間しかない訳で、そこで出来る事をやらせてあげたいというのが親心


ならば、難しく考えず、
今提供できるモノを提供すればよいだけ

なので、1人でも必要としてくれる人がいれば、
こうして手を動かし、ハンドメイド品質でもいいからとにかくすぐに動くモノを作って提供して、
早くその子に使って貰いたい

                                    • -

本業のロボ開発や実証現地を飛び回る傍ら、
障がい児の子育てもしながら、
家族のためのモノづくりをしながら、
最近では当事者向け支援機器の依頼製作も行ってる今日この頃


全力で走ってる時は無心夢中だけど、
ふと時間余裕ができると
「なんで、自分こんなに無理して頑張ってるんだろう?」
と改めて考えてしまったりもします。

最初は
「エンジニア✕障害当事者家族である自分だからこそ出来る事を見つけたい」
という想いからスタートしてた活動

これは私の経験からの主観ですが、
エンジニアの多くは技術や難しいモノ・チャレンジしがいがあるモノを作る事自体が大好きで、ほんとの意味で当事者目線/現場目線で開発を回せる人ってほんの一握りだな、と思います。


また、一方で、福祉系支援者・専門家であっても、その当事者の日々生活に密着するレベルでその困り事を捉えれる人もほんの一握りだな、と思っています。

その両方をフォローできる
「エンジニア✕障害当事者家族」
は私自身の強みだし、日本国内を探しても希少価値なんだろうな、
と実感してきました。

そんな立場となった自分だからこそ
同じ困りごとを抱えてきた家族の悩みや不安はめちゃよくわかるし、
だからこそ寄り添ってできる事があるはずで頑張らなきゃ、
と自分勝手ながらの使命感を感じてる最近

これまでの活動では、自分の最も大切な人達の世界がよくなればとの想いでスタートしてきました。
そして、
そこで生まれたモノを私達の世界だけで閉じてしまっては勿体ない
とも感じる様になってきました。

息子や家族きっかけ向けでモノ達やそこで生まれた技術ノウハウが、
例えば、別のご家庭のお子さんの4年生の音楽会で始めてタンバリンにチャレンジできる手段になって、「すごい!できたね!」って、その子や周りの人達が一緒に喜んでる
そんな光景に繋がってくれたら、
ほんと頑張って良かったって思える気がしています。



そんな想いでスタートしはじめた『当事者/家族/支援者向けの開発活動/OGIMOテック開発室』
もしよければなんらかの形で応援して貰えたら嬉しいです!