OGIMOノート~家族のためのモノづくり~

OGIMOテックノート ~家族のためのモノづくり~

重度障害の息子を持つ父親エンジニアの備忘録。自作の電子工作おもちゃ/リハビリ器具/ロボット関係の製作記録、思った事を残していきます

息子向けポータブルモリビリティを改造してみた③ (速度可変+音声イルミ対応)

f:id:motokiinfinity8:20191007003312j:plain

製作動機

元の製作動機自体は、以前の記事を参照頂ければ、と思います。

ogimotokin.hatenablog.com


歩けない息子の足の代わりの移動手段としての電動機器
その操作練習を早めに始めるための機体として購入した子供用電動移動機器「Mottoy」

操作コントローラの課題については、前回記事の通り対応してジョイスティック等の各種コントローラで操作できる様にしました。
しかし、それでも息子はずっと怖がっていてなかなか練習が進みませんでした。

よく観察してみたところ、原因の一つは、
「突然動き出す等、移動速度が速すぎて怖がってる」
という事でした。

普段のおもちゃでは激しいのが好きなのですが、自分が動くモノについてはまだ不慣れな事もあり、激しい動きに過敏に反応してしまい、そこから拒否反応に繋がっている様です。

その拒否反応を何とか取り除きたいと思い、
今回の開発目標は
「Mottoyの移動速度を遅く変更すること(可変させること)」
を目指します。
それに加えて、
「乗ってて楽しくなる様なまるで遊園地の様な楽しい乗り物化」
も目指します。

完成品

速度可変した時のMottoyはこちら


更に 様々なコントローラ(電車でGoコントローラ/ Nintendo Laboバイク/ジョイコン)などにも対応させてみて、息子が好きそうなコントローラを模索してみます。


そして、息子に使って貰った様子はこちら


改造概要

先に言っておくと……
最終的には外装とモーター以外は全改造になってしまいました(笑)

f:id:motokiinfinity8:20191006233936j:plain

元々は、前回記事で製作したハードウェア回路を元に、Mottoyマイコンに繋がっている4本の制御信号(右モータ前 / 右モーター後 / 左モータ前 / 左モータ後ろ)を別マイコンからPWM制御する事で速度変更する構想でした。

しかし、、

Mottoy制御ユニットにPWM入力
→ うまく動かん。制御ユニットの仕様が不明

Mottoyマイコン変更、専用2chモータドライバに置き換え
→ うまく動かん。Mottoy搭載バッテリの電圧不足?

バッテリー変更(ラジコン用Ni-MH電池/7.4V)
→ 無事に動いた!

更に、Mottoy制御マイコンをなくした事で、Mottoyの元機能にあったイルミネーション、音声再生がなくなってしまったため、ハック用のESP32マイコンで制御可能なMP3モジュール/イルミネーションLEDを接続しました。

その結果、Mottoyの中身は完全に入れ変わってしましました。

f:id:motokiinfinity8:20191007003358j:plain


ソフトウェア

基本的には、以下の記事で記載したソフトウェアと同構成です。(細かいところは異なりますので、後日Githubに上げる予定)

ogimotokin.hatenablog.com


課題

一番悩んだのは、「モーター動作中のマイコン電源ノイズによるリセット」です。

特にモーターに負荷が掛かった際に突然ESP32マイコンがハングするという現象が多発しました。
オシロスコープで確認したところ、ESP32モジュールの5V電源がモーター負荷時に4V以下まで電圧降下するという現象が観測されました。電源ノイズを緩和するため、

 ・5V電源にバイパスコンデンサー追加(4700uFまで追加)
 ・モーター信号ラインにトロイダルコイル追加(470uHを追加)

をトライしてみましたが、現象は改善せず。。。

うーん、対策方法が分からない。。。なんでだ。。。

という訳で、暫定対策として、
マイコンボードにUSBバッテリーを接続し補助電源として使用」を導入しました。


※ 誰か詳しい方、改善方法についてご教示ください!(涙)


終わりに

今回、Mottoyの速度を遅くした効果からか、息子が怖がる様子が減ってきて、ようやく電動乗り物を受け入れてくれる様になりました!
ただ、やはりMottoyで残った課題は「シーティング(座位固定)」ですね。息子の様に単独で座れない子供にはもう一工夫いりそうです。
こちらの解決策としては、Mottoy専用の座位固定シートを開発 or 購入する事で解決できないか、と思います。


この様な「Mottoyの座位保持開発」と並行して、「座位保持可能な専用シート自体を乗せる電動台車を作る」という取り組みも進めていきたいと思います。