はじめに
新型コロナ(COVID19)が猛威を振るっている昨今。
政府より緊急事態宣言が出されて「Stay Home(自宅待機)」が推奨されている状況です。
そんな中、現在深刻な問題になっているのがマスク・フェイスシールドなどの防護具不足。
特に医療関係・商業関係・福祉関係など、私たちの生活を維持するために最前線で頑張ってくださってる方々にとって必要となる器具。
世界的にも深刻な課題の中、欧米では市民が有志でそれらの防護具を自作して医療・商業機関に提供する活動が進んでいるそうです。
日本でも、SNSでも3Dプリンタを活用した手作りのアイデア・試作の提案がされています。
私もモノづくりに携わる人間として、実用的な防護具の製作検討 及び 少しでも生産に携わる事で、
まずは自分の身近なところから、最前線で頑張っている方々のお役に立てないかと考えて、
量産性も加味した
実用的なマスク・フェイスシールドの製作
として検討を進めまてましたので、本ブログでもその検討結果を共有したいと思います。
これらの提案が、いろんな防護具不足解消に向けた、たくさんの選択肢の一つになれば嬉しいです。
製作事例① 3Dプリンタ製フェイスシールド
上記活動を紹介頂いた私の友人から推薦頂いた「Pruse」モデルを紹介します。
欧米の医療関係でも実績のあるモデルとの事です。
フェイスガード部は「100均のクリア下敷きA4」、これに「ゴムバンド」をつければ、自宅の3Dプリンタでも量産可能との事です。
以下が実際に制作された写真になります。
上記で、実際の医療現場にヒアリングに行かれたそうで、フィット感や消毒しやすさの観点からも使えそうという感触をもらってるとの事です。
我が家でも、3Dプリンタで印刷してみました。フィット感も良く幅広で安定してるので、実用的だという印象でした!
ただ、我が家の3Dプリンタ(Flashforge社Adventure3)だと15cm四辺しか作れず、本モデルだとサイズアウトしてしまいます。
(一応「縮尺98%+斜め45度配置」では製作可能ですが、クオリティと製作時間を考えると、我が家の3Dプリンタでは量産は難しそうです)
20cm編を製作できる3Dプリンタをお持ちの方は、是非とも試してもらえるとありがたいです。
製作事例② 100均ショップ品のみで作る装着性の良いフェイスシールド
我が家では①の量産が難しそうなため、代替案として他の可能性を検討しました。
その中の一提案として、
・長時間の装着性の良さ
・部品調達のしやすさ
・製作の簡易さ (3Dプリンタをもってなくても作れる
を特徴にした製作アイデアとして、「市販帽子を使ったフェイスシールド」を製作しました。
製作時間10分、材料費208円で長時間付けていてもしんどくないフェイスシールドの可能性がありそうです。
製作手順は以下の動画にまとめましたのでご確認ください。
・つばつき帽子 ¥100
・クリア下敷きA4 ¥100
・結束バンド 4本 ¥8 (50本で100円)
【必要工具 】
・一穴パンチ ¥100
・丸キリ ¥100
・鉛筆
・A4紙 1枚
・ハサミ or ニッパー
【製作方法 (詳細は動画へ)】
① クリア下敷きに4箇所を穴開ける(一穴パンチを使う)
② 帽子に4箇所を穴開ける(丸キリを使う)
③ ①と②を結束バンドで4か所止める
④ 完成
製作時間は5~10分程度で、部品も100均ショップで手に入るモノなので、すぐに製作できます!
帽子とクリア下敷きを取り付けるのに、安定性と作りやすさの両立を狙い「結束バンド」を使いました。
結束バンドはロボットや設備の世界でもよくつかわれる固定器具になりますので、耐久性はよいです。
帽子はバイザーがついていればどの様なモノでも応用できるので大丈夫です。
なので、自分が被りやすいモノを選べばOKです。
(そもそも、これが100円で売ってる時代って…すごい!)
また、3Dプリンタをお持ちの方は「帽子」と「下敷き」の間の3Dプリンタ製作でのアタッチメントをつければ、
より安定度は上がります。(もちろんアタッチメントがなくても大丈夫です)
医療・商業現場で深刻な防護具不足が叫ばれる中、実用性あるモノをMakeして何か役立てないだろうか?
— おぎ-モトキ (@ogimotoki) 2020年4月11日
付け心地の良い&簡単に作れる
#フェイスガード の自作アイデア
・市販帽子(ダイソ200円)
・クリア下敷き(100円)を3Dプリンタ作アタッチメントで取付け
長時間付けてもしんどくなさそう#COVID19 pic.twitter.com/veifQlLdNo
3Dプリンタアタッチメントに私は以下のサイトのものを使いました。
(15cm辺内で製作可能なモデルになるので、我が家でも量産可能です)
Asiga Face Shield - Google ドライブ
医療用としては消毒しずらい課題があるため現実的ではないかもしれませんが、商業施設や福祉施設などでの飛沫帽子としては需要がありそうな感触ですので、
引き続き自分の周りで役に立てるところがないか、ヒアリングしてみたいと思います。
製作事例③ キッチンペーパーで作る手作りマスク
我が家でも不足していた使い捨てマスク課題を回避するため、いろいろと試作してみました。
その結果、「洗えるキッチンペーパー」を使ったモノが肌心地もよく、装着性も良かったです。
なお、作り方は以下のサイトを参照ください。
なお、ゴムには、我が家では子供用ストッキングを切って対応してます。非常に装着性もよく市販品よりも快適でした。
こちらは妻が製作して、一部を子供の通うリハビリセンターに提供してきました。
リハビリセンターでも深刻なマスク不足なので、少しでもリスクを減らすための対応として少しでもお手伝いできれば、と思います。
さいごに
我が家にて、実用的に使えそうなモデルをターゲットに製作試作をいくつか繰り返し、その上で良かった感触のモノを紹介しています。
もちろんこれは提案の一例ですし、各家庭や個人によっては、もっと作りやすい方法もあると思いますので、
SNSにももっとたくさんの製作事例や詳細手順から選んでいただけばと思います。
こちらの共有情報も、そんなたくさんの選択肢のなかの一つになれば嬉しいです。
なお、私も普段から息子や家族など身近な人に喜んでもらうためのモノづくりを進めていますが、
誰かの人に役に立つモノを作れるのは本当にメイカー人の一人としてすごく嬉しいと感じます。
まずは、自分の周りで私たちの生活を守ってくれている方々、
例えば、子どもの通う病院、リハビリの先生、ヘルパーさん、馴染みのお店の店員さんなど
実際に顔を思い浮かべる事ができる人たちに1人のモノづくり人としてお役に立てればなぁ、と思っています
なお、上記①フェイスシールドをベースに市民活動として医療関係者や行政を巻き込んで、Maker有志で協力できる事を模索している動きがいろいろとある様です!
私の住む大阪では以下のfacebookグループで取り組みを加速していますので、ご興味をお持ちの方はぜひともご協力をお願いいたします。